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2015年12月15日火曜日

GOD EATERって凄いんだなって話

あれは俺がフリーダムウォーズをプレイ中のことだった。巨大アブダクターが動いた先に駆け寄っていた俺は、偶然にも雑魚敵が湧いてくる瞬間を目撃してしまったのだ。
その時まで気付いていなかったが、奴らは何もない空間に前ぶれなくいきなり転送されてくるのである。
それを見た俺は喚いていた。

「なんだよこいつら、アラガミかよぉ!?」

という訳でゴッドイーターというゲームは上手く考えられているなぁと感心したお話。

●アラガミとは

アラガミはゴッドイーターに登場する化け物の総称だ。オラクル細胞が寄り集まって出来た群生生命体で高い生命力と戦闘力を有している。
オラクル細胞というのが特殊で、それ自身が意思の様なものを持ち、自律的な行動を行う。これらが寄り集まるうちに集合体に指向性が現れ始め、最終的には怪物となって暴れ始める。
なので、アラガミは既存の動植物とは全く違う生態系を持った生命体なのである。
と、俺はアニメで見た

俺が「アラガミかよぉ!?」喚いたのはアラガミ発生の瞬間に起因する。
オラクル細胞は様々なものを捕食する。動物植物はもちろんのこと、到底食用に適しているとは思えないアスファルトコンクリート金属に至るまで何でも食う。
これだけ食えるものが多いと荒廃した大地も食物の山に等しい。なので、ごく小さなオラクル細胞も寄り集まる内にコンクリートや大地などを食い散らかしてどんどん膨れ上がり、最終的にはアラガミとなる

そう、アラガミはいきなり地面から、それこそ生えてきたかのように生まれる
少なくともアニメではそうだった。

ちなみに、これは神機使いが苦労してアラガミを撃退しても、殺しきれなかったオラクル細胞はやがて新たなアラガミとなることを意味している。
地球上に分散してしまったオラクル細胞に対する抜本的な解決策が見つかるまでは盛大な時間稼ぎが続く。
ゴッドイーターの戦いはかくも過酷で絶望的なものなのだ。

●ゴッドイーターって凄い

さて。
こう書いてみるとオラクル細胞がハントアクションで気になりそうな問題を幅広くカバーしている万能細胞であることがわかるだろう。

・個体数について

生き物の数には限りがあり、繁殖には相応の時間がかかる。人間による乱獲が続くと絶滅の二文字がちらつき始める。
特にモンハン等に出てくるような巨大生物は生存するだけでかなりのコストが必要とする筈で、そんな個体が狭い範囲に大量生息していよう物なら荒廃は必死。
強大な生き物は個体数が少ないと見るのが自然な話で、そんな化け物の乱獲すれば種族が耐えてしまうこともあり得るのではないか。

一方、アラガミはその心配がない。
未だオラクル細胞を根絶する手段は不明で、ゴッドイーターたちもアラガミの状態から解体する程度のことしか出来ない。だから、一時的に個体数が減ることはあっても、絶滅に追い込むことはできない。しばらくしたら地面からまた生えてくるだろう。

・食物連鎖について

生き物は餌を食う。
大地と光合成で育った植物を草食動物が食べ、その草食動物を肉食が食う。最終的には生き物は死んで土に帰り、また植物を育てる土壌になる。

これを人は食物連鎖と呼ぶ
モンスターハンターに出てくるような凶暴な生き物たちは恐らく肉食だろう。
例えばティガレックスが一年間生活するのに何匹の草食系モンスターが犠牲になるだろう?
その数は果たして生まれる草食系モンスターの数と釣り合っているのだろうか?
もしも捕食される数の方が多いとなると、それはもう絶滅への道を歩み始めていることに他ならない。

逆なら逆で恐ろしいことになる。草食系モンスターがイビルジョーにダース単位で食われることを前提に増えている場合だ。
この状況で下手に捕食者の討伐なんかしてしまうと天敵を失ったことで爆発的な繁殖力が猛威を奮い出す可能性があるだろう。増えすぎた草食系モンスターに野山が食い荒らされて禿げ上がる未来もそう遠くはない。

その点、アラガミは雑食では済ますことが出来ないほど幅広く食う。地面から発生した比較的小柄なアラガミがより強大なアラガミに食われる姿などからアラガミだけで食物連鎖を形成することも可能なのかも知れない。
そもそも、アラガミが生態系の破壊者なのだから討伐に躊躇する理由は欠片もない。
しかし、廃墟のビルから地面まで食い荒らす奴らが食い物に困るころには地球はどうなっているのだろうか。ひとつの巨大なアラガミとなって宇宙を漂っているのかも知れない。

●万能細胞バンザイ

どうだろう。オラクル細胞の存在により、乱獲による絶滅の危機や生態系への影響といった厄介な問題を考える必要がなくなっていることがわかってもらえただろうか。

恐ろしいことに、オラクル細胞の物語への影響はこれだけに留まらない。オラクル細胞が存在によりゴッドイーター達が戦うことに必然性が持たされてもいる。
アラガミが出現した当時、軍隊は銃と刃を持って抗ったが奴らには通用しなかった。身体に触れた側から捕食されてしまう為だ。
結果として各国の軍隊は役に立たず、壊滅的な打撃を受けた。
奴らに有効打を与えるには偏食因子の実用化を待たねばいけなかった。この偏食因子を武器として上手く活用する為に産み出されたのがゴッドイーター達が操る神機だ。

この神機もまた生きており、使用者は武器に対する適性が求められる。
そう、ゴッドイーターは限られた人間にしかなれないのだ。超人的な能力も体内に埋め込まれたオラクル因子の所為、死ににくい肉体になったのもオラクル因子の所為

これではゴッドイーターは否応なく特別な存在にならざるを得ない。しかも、因子には適応率が設定されているので必要があれば更なるブーストをかけることだって可能だ。

ここまで厨二ゴコロを擽りながらナチュラルに物語への没入感を高め、余計な煩わしい問題を話の外に追い出すオラクル細胞という大発明。
俺にはただただ大絶賛することしか出来ない。