太古の昔、人間は夜空に輝く星を天国の住人が地上を覗くために開けた覗き穴だと考えていたらしい。
それ故に、空の星のことを人は呼ぶ。アイズオブヘヴンと。
それ故に、空の星のことを人は呼ぶ。アイズオブヘヴンと。
と、いうわけで、ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘヴンの話をします。
●恐怖を克服せよ!
このゲームはバンダイナムコエンターテイメントとサイバーコネクトツーの強力タッグが送る、人気コミック、ジョジョの奇妙な冒険のキャラクターゲームである。
……まあ、この二社があの悪名高きオールスターバトルと同じ組み合わせということでね。生まれる前から逆風に晒されていた節のある不遇の作品である。
いやー、なんというかここまで書いただけなのに俺の頭のなかに世間に向けた言い訳と庇うような文章が思い浮かぶあたり、ASBが残した傷跡は大きいなぁとしみじみ。
俺の感慨はともかくとして、2on2になったメインの対戦部分はもちろんのこと、その他の部分も色々と変わっているので、その辺りに触れていくことで、俺を含めた各位のなかにあるEoHに対する恐怖心や猜疑心のようなものを払拭していきたい。
……という意気込みである。
……という意気込みである。
●今作の一人遊びについて
まずは一人用モードから。というのも、よくよく考えてみると対戦機能と相手が居れば楽しく遊べるような連中はASBの時点で既に楽しめていたように思われ、何より今作も放っておいても勝手に楽しむに違いない。
となると、「対戦するつもりはあまりないし、例のコンビってことはまた一人用モードは貧弱なんでしょう?」みたいな偏見に立ち向かっていくことが重要なのだ!
多分!
まずそも、問題の発端となったASBはどうだったのかと言うと、原作のあらすじを合間に申し訳程度に挟みつつ敵と戦うストーリーモードと、時間で回復するスタミナを消費するキャンペーンモードしかなかった。
ストーリーモードがしょっぱいのはともかくとして、家庭用据置機でスタミナ制を採用したキャンペーンモードは一体どういうプレイスタイルを想定していたのか全くの謎。
このキャンペーンモードの悪評がネットを通じて千里を走り、各地に知れ渡ってしまった所為でASBは取り返しのつかない悪印象を大々的に刻み付けてしまったのである。
ストーリーモードがしょっぱいのはともかくとして、家庭用据置機でスタミナ制を採用したキャンペーンモードは一体どういうプレイスタイルを想定していたのか全くの謎。
このキャンペーンモードの悪評がネットを通じて千里を走り、各地に知れ渡ってしまった所為でASBは取り返しのつかない悪印象を大々的に刻み付けてしまったのである。
さて、過ぎ去った過去のことは置いておいてEoHに話を移すとしよう。
EoHでは一人用のモードはストーリーモード一本に絞られた。モードの数自体は確かに減ってるが、悪意すら邪推させるキャンペーンモードが消えただけなので喪失感はない。
それに、ストーリーモードの中にはストーリとは無関係なミッション型のバトルが入っているので、実質ストーリーとミッションの2モードがストーリーモードに統合されていると思ってよい。
加えて、ストーリーモードで語られるのは原作者荒木先生監修のオリジナルストーリーになっており、そのボリュームはかなりのものと来ている。
以上から、対戦をあまりするつもりのないプレイヤーでもひとまずは安心してもらってよいだろう。
EoHでは一人用のモードはストーリーモード一本に絞られた。モードの数自体は確かに減ってるが、悪意すら邪推させるキャンペーンモードが消えただけなので喪失感はない。
それに、ストーリーモードの中にはストーリとは無関係なミッション型のバトルが入っているので、実質ストーリーとミッションの2モードがストーリーモードに統合されていると思ってよい。
加えて、ストーリーモードで語られるのは原作者荒木先生監修のオリジナルストーリーになっており、そのボリュームはかなりのものと来ている。
以上から、対戦をあまりするつもりのないプレイヤーでもひとまずは安心してもらってよいだろう。
肝心の物語だが、導入は第三部のラスト、承太郎とDioの対決を再現したバトルからスタートする。原作通り因縁に決着をつけ終えると、Dioのメモを読むシーンを挟んだ後、場面はポルナレフが故郷へと帰る際の空港のシーンに移る。
そこへ謎の刺客が襲い来ることになるのだが、それがなんとアヴドゥルとイギーの二人。
ご存じの通り、この二人、原作ではDioとの市街地戦よりも前、屋敷の時点で敵の毒牙にかかって命を落としている。なので、その二人が空港にいること自体がおかしいのだが、更に加えて敵にとして殺気を放ってきているというのだから尋常ではない。
ご存じの通り、この二人、原作ではDioとの市街地戦よりも前、屋敷の時点で敵の毒牙にかかって命を落としている。なので、その二人が空港にいること自体がおかしいのだが、更に加えて敵にとして殺気を放ってきているというのだから尋常ではない。
更にはそこに現れるスピードワゴン! しかも、一部の頃の若い姿! なんだかよくわからないが、とても奇妙なことが起こっているッ!!
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▲後ろでポージングしているのが問題のスピードワゴン。 案外馴染んでいる |
どうだろう。
オールスターゲームであることを逆手に取ったこのストーリーは。続きが気になるのではないだろうか?
オールスターゲームであることを逆手に取ったこのストーリーは。続きが気になるのではないだろうか?
このあと、この異変が『あるお方』の仕業であることが判明し、承太郎たちはこの世界を蝕む異変を解決する為に世界を飛び回ることになるのだが、行く先々で思わぬ出会いが続く。
この異変はある手段で解決でき、敵の能力の影響下から取り戻すことが出来る。そうなれば、一度は死別したはずの仲間と再び力を合わせて戦うことに。これもまた夢のある話だ。
この異変はある手段で解決でき、敵の能力の影響下から取り戻すことが出来る。そうなれば、一度は死別したはずの仲間と再び力を合わせて戦うことに。これもまた夢のある話だ。
更に、今回、過去に未来にと様々な時代を飛び回ることになるので、将来的に出会うはずの人物と出会うことに。様々な時代で活躍していた承太郎などはその若さに驚かれる。中でも、自身と同世代の父親と対面することになった徐倫の心境を思うと少し面白い。
また、「亀になる」という常識はずれな将来を仄めかされ翻弄されるポルナレフや、その説明を嫌ったジョルノのあまりにあんまりな誤魔化しもなかなか。
個人的なイチオシはかつての自分の失言を咎めつつ、逸るシーザーの心を落ち着かせる老ジョセフのシーン。酸いも甘いも知り、老獪という言葉が似合うまでになったジョセフの成長を感じさせる良演出に思う。
色々と語ってきたが、ストーリの進行に合わせてシェア機能に制限をかけて製作側の意図を大事にしたいので、これ以上の言及はしない。
気になった人は是非とも自分の目で確かめてほしいと思う。
気になった人は是非とも自分の目で確かめてほしいと思う。
●バトルと演出について
次はバトル部分。フレームだとか攻防だとか息詰まる話は一切出さずに、インプレッション的な話でいく。
一般的な対戦格闘ゲームのフォーマットに従っていたASBと違い、EoHは2on2で3Dフィールドを走り回るタイプのバトルになった。
なので、ひとつ目の違いとしてステージが広くなり、起伏やギミックに富むようになったことが挙げられる。
これにより、ASBよりも距離や間合いが広く取られているので、ンドゥールや花京院のような得意間合いの広い能力者が自身の強味を生かしやすく、戦いやすくなっている。
というか、ストーリーモードでは早い段階で花京院とンドゥールのペアとぶつかるので、遠距離主体キャラクターの厄介さを嫌でも学ばされることになる。
これにより、ASBよりも距離や間合いが広く取られているので、ンドゥールや花京院のような得意間合いの広い能力者が自身の強味を生かしやすく、戦いやすくなっている。
というか、ストーリーモードでは早い段階で花京院とンドゥールのペアとぶつかるので、遠距離主体キャラクターの厄介さを嫌でも学ばされることになる。
二階部分があるステージもあり、音石やナランチャのような遠隔操作可能なスタンドの場合、本体を比較的安全な上に残してスタンドだけ下階に送り込むような戦い方も可能になってくる。
また、ステージギミックにも個性があり、第二部より採用されたサプレーナ島のステージでは針の山がある。ゲーム的には上を通るとダメージを受けるエリアなのだが、波紋の心得がある戦士たちは波紋さえ練ってあればこの上を歩くことが出来る。
この針山はそういう修行のために作られた場所なので至って妥当な再現。
この針山はそういう修行のために作られた場所なので至って妥当な再現。
とまあ、フィールドが広がったことで戦いに幅が生まれ、ジョジョの特徴でもある多種多様な能力が入り乱れてのバトルという感じが更に色濃くなっている。
先にフィールド部分に注目したが、バトルが1対1から2on2になったことによる変化ももちろん大きい。
二人で並んで戦う以上、パートナーが先に倒される場面が出てくる。この時、ゲーム的には『受け継がれる意志』というシステムが発動する。残されたキャラクターが倒れたキャラの意志を受け継ぎ、一定時間強化されるシステムだ。能力アップに加え、発動中は攻撃を受けてもライフではなく持続時間が減少するだけという、なかなかに強力な状態である。
二人で並んで戦う以上、パートナーが先に倒される場面が出てくる。この時、ゲーム的には『受け継がれる意志』というシステムが発動する。残されたキャラクターが倒れたキャラの意志を受け継ぎ、一定時間強化されるシステムだ。能力アップに加え、発動中は攻撃を受けてもライフではなく持続時間が減少するだけという、なかなかに強力な状態である。
この意志の発動、特定のペアを組んでいると併せて特殊な効果や演出が発揮される。
セリフが少し変わるだけのものも多いが、シーザーとジョセフのペアなんかはかなり手が込んでいる。シーザーが先に倒れると、原作同様に最後の波紋を使ってジョセフに解毒剤を残すのだ。対するジョセフの慟哭もバッチリ。
他にはヴァニラはDioを倒されるとブチ切れて技の性能が強化されるなんてものもある。
セリフが少し変わるだけのものも多いが、シーザーとジョセフのペアなんかはかなり手が込んでいる。シーザーが先に倒れると、原作同様に最後の波紋を使ってジョセフに解毒剤を残すのだ。対するジョセフの慟哭もバッチリ。
他にはヴァニラはDioを倒されるとブチ切れて技の性能が強化されるなんてものもある。
また、このシステムを利用した能力再現がゴールドエクスペリエンスレクイエムには実装されており、こいつの特定の技で倒すと相手の受け継がれる意志の発動を妨げてしまうのだ。
「終わりがないのが『終わり』」で知られるその能力により、相手は倒されたという真実に到達出来ないという解釈のようだ。
受け継がれる意志無しは結構厳しい気がするので、要注意能力ではないだろうか。
「終わりがないのが『終わり』」で知られるその能力により、相手は倒されたという真実に到達出来ないという解釈のようだ。
受け継がれる意志無しは結構厳しい気がするので、要注意能力ではないだろうか。
2on2になったことで所謂、合体攻撃的なものであるデュアルヒートアタックも実装されている。
基本的には汎用援護モーションと汎用フィニッシュモーションの組み合わせだが、特定のペアだと専用技に変化する。
承太郎と花京院とか、ポルナレフとイギーと言った原作でも共闘していた組み合わせ以外にも、一部のディオと三部のDioみたいな同一人物ペアや、Dioとジョルノの親子やDioとプッチのようにもしも共闘が実現していたらのifコンビもあり。こう見るとDio人気だな。
基本的には汎用援護モーションと汎用フィニッシュモーションの組み合わせだが、特定のペアだと専用技に変化する。
承太郎と花京院とか、ポルナレフとイギーと言った原作でも共闘していた組み合わせ以外にも、一部のディオと三部のDioみたいな同一人物ペアや、Dioとジョルノの親子やDioとプッチのようにもしも共闘が実現していたらのifコンビもあり。こう見るとDio人気だな。
ちなみにヴァニラとDioの間には特殊デュアルヒートアタックはなかったです。
寂しい。
寂しい。
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▲ちなみに、おなじみのフィニッシュ演出も健在 花京院以外もタンクにぶっささる |
●終わりに
さて、ここまで長々と説明してきたが、いかがだっただろう。ASBで植え付けられた恐怖心や疑念は解消されただろうか?
もともと頑張っていたキャラクター再現にはさらに磨きをかけ、貧弱と言われていた部分はしっかり改善してきたこともあり、EoHからは「あの惨めな失敗は繰り返さない」という強い意志を感じている。
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▲ダービーもこう言っている。 このセリフを聞いた花京院の顔が見たいところ |
ジョジョが好きでASBで悔しい思いをした人ほどこのゲームは買ってほしい。
ゲームオリジナルのドリームストーリーを堪能してほしいし、『天国に到達したDio』の脅威に恐れ戦いてほしい。
あと、ンドゥールとダービーに面倒臭いなって思ってほしい。
ゲームオリジナルのドリームストーリーを堪能してほしいし、『天国に到達したDio』の脅威に恐れ戦いてほしい。
あと、ンドゥールとダービーに面倒臭いなって思ってほしい。