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2015年9月3日木曜日

ストII 20円1クレは妥当か否か

ゲーセンの話題つながりでもう一つ。
前々から時折言っていた「ネシカには100円払え」について、少し前に話題になっていたテーマを絡めてお話していこうという趣旨です。

さて、タイトルに挙げたお話ですが、個人的にはスト2だったら妥当なラインなんじゃないの。って感じですね。
本当の本当にスト2なら、ですけどね。
ネシカで配信中のハパ2を「1クレ20円でやってるよ!」って言われたら次の瞬間にはぶん殴ってから「歯を食いしばれ!!」って言います。

まあ、どうしてスト2が1クレ20円なのはおかしいという話題が出たかと言うのは僕には正確なところはわからないんですが、どうも「(某所のスト2が20円1クレなんだから)何とかを50円2クレにしてほしい」みたいな意見があったようなんですね。

これを受けて、1クレ20円みたいな価格破壊が正常な金銭感覚を失わせているんだ。
だから、スト2 1クレ20円は悪なんだ。

……みたいな話のようです。

確かに50円2クレジット発言は問題があると感じます。僕に言わせれば、死ねをソフトに言い換えたのと大差ありません。多分、発言者にそんな意図が無いのもわかりますけど。
だからと言ってスト2の20円がおかしいかって言われちゃうと……うーんって唸っちゃう。

というか、僕はスト2とネシカのゲームを同じカテゴリに入れてないんで、どうして価格を参考にしちゃうのかなって感じちゃうんですよね。

ちょっと、昔と今のゲームのわかりやすく違うところを比較して、僕なりの根拠を提示してみます。
何か新しい発見があるといいのですが。

●古い時代のゲーム

まずは、古きを知っていくとしましょう。今、流行のネシカとかAPMとかが出てくる前、ゲームを買うと言えば基板を買うことだった時代の話です。先刻の例でいくとスト2側ですね。

大枚はたいて買ってきたのだから利益を挙げてもらわないと困ります。電気代、テナント料金、機械のメンテナンスにかかる費用などなどの諸経費は前後で大差が無いものと仮定すると、単純に購入に費やした金額分をこのゲームに投入されればとりあえず元は取ったと言えるでしょう。

僕みたいな阿呆でも計算しやすいように、相場とかガン無視して百万円に。税金とかの話はスパッと無視します。
ここまで考えることを減らすと1クレ100円で回収しようとした場合、単純に割ればいいので1万試合必要になります。
1000000(円)÷100(試合/円)=10000(試合)
回収にどれぐらいかかりそうでしょうか。開店する10時~閉店の24時までの14時間、誰かしらが座って戦っている状況が続き、試合の時間が平均約2分だったと仮定します。

この場合、一日の戦闘回数は下記の式から420試合前後と推定されますね。
14(h/day)×60(min/h)=840(min/day)
840(min/day)÷2(試合/min)=420(試合/day)
これが平日休日問わず毎日続いたと仮定すると24日かかる計算です。
10000(試合)÷420(試合/day)=23.8095…(day)
大体一ヶ月弱。
とは言ったものの、そもそもの状況設定が「開店から閉店まで休みなくずっと対戦が続く」とありえないのに、しかも毎日っていう更にありえないの上乗せなので本当に最短ルートを突っ切った場合の話ですよね。
実際にはプレイヤー側のライフスタイルの影響を受けるので繁忙期もあれば閑散期もある。これよりも長い時間が必要でしょう。

ちなみに、これを5時間程度に変更すると下記の通り84日計算です。
5(h/day)×60(min/h)÷2(試合/min)=150(試合/day)
10000(試合)÷150(試合/day)=83.333…(day)
大体三ヶ月ぐらいですかね。

なんにせよ、これで投資した分は取り返しましたので、これ以降はお金が入れば入るほど儲けということになります。
そうなると、もう別に1プレイで100円も徴収する必要はありません。というより、人気が衰えていないうちに客寄せの意味も含めて50円で運用するというのも立派な戦術でしょう。

これが、昔から受け継がれている「時間が経つと1クレが50円になる」メカニズムの一つです。そろそろ50円にならないかなーなんて言うのはこの頃の名残というわけです。

まあ、正直この時代の古き因習にいつまでも囚われている人がいるのが問題の一つなんじゃないかと僕は勝手に思っているんですけども。

●新しい時代のゲーム

ところが、昨今……というほど最近でもなく、バーチャファイターがまだ現役バリバリで新作が出ていたころぐらいには事情が変わってきていました。というのも、この辺りになると個人の戦績なんかをネットワークに保存するようになって、ゲームが通信を行うようになってくるんですね。
結果、ゲームは1プレイ毎に通信費というものが発生するようになりました。今までのように購入したら終わりではなく、運用でもコストがかかるようになったと言うわけです。

最初に挙げた例でいくと、ネシカ対応ゲームなどですね。

ゲームによって費用はまちまちですが、1試合につき30円とか徴収されるのがザラです。さすがに40円は聞いたことなかったと思いますが……すいません、正確な数値までは覚えていません。
なので、古い時代の時はプレイヤーが100円入れればまるまる100円の儲けだったものが、通信費として30円支払った後の70円しか儲からなくなったということになります。
もうお分かりですね。この手のゲームを1プレイ50円にするということは、通信費を差し引いた20円しか儲けがでなくなることと同義なのです。うへぇ。

だから、設備に投資した分の回収が終わるのも遅くなりますし、回収できたからと今までのように安易に値下げをするのは難しくなってしまったのです。

それでもあえて50円で運用するということは、それで人を呼んで別の所で(例えばプレイ待ちの間に自販機で買って、飲まれるジュースで)回収することを前提にしていたと聞きました。「あそこの店は50円だから行こうぜ」なんてはるばるやってきた人がジュース飲みながらワイキャイやってくれることを狙ってるというわけです。
逆に黙々と50円ゲームに投資し続けるだけでは単価的にはあまり嬉しい客ではない、と。
世知辛い……。

なので、僕は基本的に通信が発生するタイプのゲームは1プレイ100円が少なくとも必要で、50円にできるのは何らかの理由や勝算がある店だけだと考えています。

●それを踏まえて

冒頭の話題に戻ります。スト2の1プレイの価格とは?

スト2は古い時代、通信費なんて考えない時代のゲームですから、運用に特別なコストはかかりません。なので1クレ50円でもがっぽり儲けは出ます。となると、あとはプレイヤーサイドがスト2というゲームに対して、どれだけお金を払ってくれるかの問題です。

絶頂期なら100円でもなんなら200円でもバンバン入ってきたかと思いますが、今となってはレトロゲームと言われてもおかしくないスト2。このご時世にそんな強気な設定は難しいですよね。

というか、スト2だけが目当てでゲーセンにくる人間が何人いるのか。という話です。
どちらかと言えば、ジャック・オーちゃん触りに来ました霧でハメに来ましたという人がふと、懐かしいゲームが置いてあるなあと目を取られることが多いんじゃなかろうか。と。

だとすると50円も割りと強気の設定ですよね。レトロゲームに50円も入れるぐらいなら、ギルティもう一試合やるわってなるじゃないですか。20円って言うのは、ちょっとガチガチの対戦を休憩して気楽な気持ちで遊ぶとか、帰る前に懐かしい気持ちで1プレイとかの時に、本命に対して影響が出ない額としてはなかなかあり得るラインではないかなと。

それに、この価格でも通信費30円のゲームを50円で設置するのと同じですからね。実際の通信費は35円とかだった記憶もあるので、ヘタするとスト2にバンバンお金入れてもらったほうが助かるなんて可能性だってあります。

ものすごい無理をしてるように見えてた20円の方が、常識的に見える50円より実は効率がいい。

僕が最初に言った「スト2とネシカのゲームを同じカテゴリに入れてない」と考えてる根っこの部分はここです。
確かに格闘ゲームというガワは似てるかも知れない。でも、運用が全然違うんだから価格設定の思考も全然違うものであるべきなんじゃないかな。と。

●まとめ

長々と書いてきましたが、飽きてきたので端的にまとめますね。
今回、言いたいことはこんな感じです。
  • スト2が20円なのは安いが、考えられないほど異常とは言えない
  • 古いゲームと新しいゲームでは通信費などの面で同じ考え方をするのは危険
  • スト2の価格を基準にネシカなどのクレジットを定めることこそ筋違い
たったの三行。
このエントリーは一体何だったんだという気持ちになりながら終わります。