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2015年11月28日土曜日

EXVSにおける判定について・2

さて、EXVSにおける判定についての第二回だ。
前回のエントリーではEXVSにおける判定が格ゲーで言うところの「発生」と「判定」の2つを兼ね備えた概念であり、しかも強判定技の多くが発生勝ちしていることを述べた。

今回はそのことを踏まえた上で、EXVSにおける強判定技の強さの理由について説明していく。

これにより、EXVSにおける格闘かち合いの駆け引きを理解していってほしい。

●距離と振り

前回は一口に発生と説明したが、EXVSにおける格闘の発生には2つの要素が絡んでくる。

 1つは距離だ。
 VSシリーズの格闘は突進と攻撃に別れるのだが、突進から攻撃に移る距離には格闘毎に若干のばらつきがある。相手にどれだけ近づけば攻撃するかが異なる、ということだ。
 この距離が遠いと相手よりも先に攻撃を振り始めるので、格闘ゲームで言う所の判定を置くような挙動になり格闘を潰しやすい。逆に近いと相手が先に振り始めるので潰されやすくなる。

 もう1つは振りの速さだ。
 格闘ゲームで言う所の発生に当たり、例えば攻撃判定の発生まで7Fかかる格闘と4Fしかかからない格闘が同時に攻撃に移行した場合、4F格闘が先に攻撃判定を出現させるため7F格闘を一方的に潰すことができる。

 EXVSはこの2つの要素が組み合わさって格闘の発生が決まっている。なので、状況によっては一方的に潰せた格闘が、別の状況では潰されてしまうということが起こりうる。



 上に乗せた動画は初代とマスターのN格闘をほぼ同時に押した時のかちあいの実験動画。
 少し離れた間合いで2回、至近距離で2回行っているが、離れた間合いでは初代が、至近距離ではマスターが一方的に勝っているのがわかる。
 これはお互いのN格闘を比べた時、初代の格闘が振り始めの距離で優っているのにたいし、マスターの格闘が振りで優れているために起きる。

 まず、離れた間合いではお互い踏み込みが発生する。この後、初代の方が格闘を振り始める間合いが遠い分、早く攻撃に移る。結果、マスターの攻撃が出る前にビームサーベルが振り下ろされ、初代が一方的に勝つ。
 ところがこれが至近距離になると、振り始めるタイミングで差をつけることができなくなってしまったことで、単純な振りの素早さ勝負になってしまう。結果、マスターの拳法が先にあたり、一方的に負けてしまうのである。

 この実験からわかるとおり、一口に強判定(厳密には良発生)格闘と言っても、距離が優秀で振り始めが早いからなのか、振りが優秀で早いのかによって若干強みが変わってくる
 例えば「距離が優秀だが振りは大したことのない格闘」は斬りかかる分には強いが、距離が詰まった状態での暴れとしては頼りない。逆に「距離は狭いが振りが優秀な格闘」の場合、切り込みに行くには少々心もとないが、至近距離での暴れとしては非常に強い。
 今回の実験だと初代のN格闘が前者寄り、マスターのN格闘は後者寄りの性能になる。
(ただ、厳密に言うとマスターのN格闘の振りが速いというよりは、ガンダムのN格闘の振りが遅い可能性が高い)


●例外的な格闘

 前回、EXVSにおける格闘は「踏み込み」と「攻撃」に分けることができると書いたが、いくつか例外が存在する。例外は例外故の強みが存在し、強判定として知られている物も多い。

1.判定を出しながら進む

 ラゴゥのBD格闘アヴァランチエクシアのN特格レッドフレームの前特格などが該当する。前回のエントリーであった、相手の踏み込み部分に攻撃判定を置くような使い方が可能なので、一般的な「踏み込んで振る」タイプの格闘に対しては圧倒的に強い。

2.踏み込みが短い

 百式の前格闘ベルガ・ギロスのBD格闘などが該当する。踏み込みは存在するのだが、ほとんど踏み込まない。そのため、その場で攻撃を出すような形になる。なので、こちらも判定を置くような使い方が可能になり、踏み込むタイプの格闘にはまず負けない。

3.踏み込みが一定

 アルケーの横特格などが該当する。かならず一定距離踏み込むため、そこを点かれると脆い。一方、相手に近づくまでもなく攻撃判定はでるので、ぎりぎりの距離だと判定を置くような挙動になるためそれなりに強い。

 基本的に強判定格闘と言うときは多くが1か2だと思ってもらっていい。ただ、どちらも発生前に潰されてしまってはそれまでなので、密着間合いの振り合いでは必ずしも有利とは限らない。例えばレッドフレームの前特格は発生が芳しくないので、密着で振りの速い格闘を合わせられると一方的に負けてしまう。
 百式の前格闘、ラゴゥのBD格闘は振りも早いので、至近距離でもかなり優秀である。
(余談だが百式は近すぎず、遠すぎずの微妙な距離だと、若干ではあるが踏み込みが生じて、攻撃の発生が遅くなるという弱点がある)

●判定の強さ

 例外的な格闘があることは先ほど話をした通りであり、一部の格闘は攻撃判定を出しっぱなしにして突っ込んでいく。こういった特性の格闘同士が正面からぶつかり合うと、お互いに攻撃判定を押し付け合う展開になる。
 ここでようやく、とうとう格闘ゲーム的な攻撃判定の強さが絡んでくる。どれだけ攻撃判定が突き出ていて、食らい判定が引っ込んでいるかで勝敗が決まるようになる。
 代表的なのはバンシィの特格で、判定出っぱ格闘の中でも無類の強さを発揮する。特にユニコーン状態での特格は単発強制ダウン(FBのみ。MBではダウン値が落ちた)なのも相まって、∀ガンダムの月光蝶すら一方的に潰す強さを見せる。他にも、レッドフレームの前特格アヴァランチエクシアのN特格なども強判定なのだがバンシィはそれらと相打ち。しかも、単発威力の関係上バンシィ側がダメ勝ちする。

 とは言うものの。
 ほとんどの機体は飛び道具を持っており、判定勝負に持ち込まずとも、射撃武器を一発打ち込めば済む話である。わざわざ分の悪い勝負に出る必要はないのが現実だ。
 知識として知っておくことは無意味ではないが、無理に活用する必要は一切無いだろう。


これで、EXVSシリーズにおける格闘の判定についての説明を終える。
予想以上に長くなってしまったが、このエントリーを目にした人がゲームをプレイするに際に何かの一助になれば幸いである。