そもそもゲーム性が違うので苦戦するのはやむを得ないとして、果たして本当にゲーム性の違いだけに苦しんでいるのだろうか。
実は格ゲーとEXVSでの同じ文字列が違う意味を持っているがために、格ゲーマーが誤った理解をしてしまい、進む道を間違えていることがあるのではないだろうか。
といったところで、今回は格ゲーマーたちの理解を邪魔しそうな「判定」について触れ、EXVSにおける判定の強弱について説明していく。
●判定とは?
物と物とがぶつかっているかを判定する「衝突判定」というプログラム用語をベースに持つ。詳しくは専門書に譲るがこのエントリーでは「指定した範囲の一部重なったら衝突していると判断する」ぐらいに考えてもらっていい。かつてのゲームでは「一つにつき4つの座標を指定して、これらを比較して判定する」スタイルが主流だった。
プログラム上、衝突したかしないかはこの衝突判定によって行われるので、表示されているグラフィックとは微妙な差分が出ていた。プレイヤーたちが感じるこの差異を埋めるために、グラフィックの上に4点の座標を線で結んだ矩形を描いて実際の衝突範囲を視覚的に表した図が登場した。
この表現技法がプレイヤーたちに受け入れられ、その結果この矩形範囲のことを「判定」と呼ぶのが定着していった。
ここから更に発展したのが格ゲー用語の「判定」になり、大雑把に言えば「技と技をぶつけた時の強弱の目安」ぐらいの意味がある。強い・弱いという言葉と組み合わせて表現される。
格闘ゲームでは判定に種類があり、攻撃範囲を「攻撃判定」と呼び、これを食らったか食らっていないかを判定するための範囲を「食らい判定」と呼ぶ。乱暴に言えば、格闘ゲームは自身の攻撃判定を相手の食らい判定にぶつけるゲームなのだ。
そのことを踏まえた上で判定の強弱が決定されるメカニズムに触れていくとしよう。
格闘ゲームではAの肘打ちとBのパンチがぶつかりあったのに、結果として攻撃を食らったのはBだけというようなことがまま起こる。下手糞な図で恐縮だが下記の図1の状況の後、Bだけがのけぞるということだ。これを他のプレイヤーに伝える際に判定という用語が登場し、今回の例だと「Aの肘打ちは判定が強い」というような使い方をする。
これはAの肘打ちとBのパンチが衝突して見える(図では衝突して見えないとか言っては行けない)とき、内部的には「Aの攻撃判定はBの食らい判定に接触したが、Bの攻撃判定とAの食らい判定は接触していない」のである。なので、Bだけが一方的に攻撃を食らってしまう。
そのイメージを下の図2に表してみた。赤が攻撃判定で青が食らい判定である。Bのパンチが腕の先まで食らい判定があるのに対し、Aの肘打ちは腕の部分に食らい判定がない。なので、Bだけが攻撃判定に触れている状態になってしまう。結果、Bのパンチが潰される。
プログラム上、衝突したかしないかはこの衝突判定によって行われるので、表示されているグラフィックとは微妙な差分が出ていた。プレイヤーたちが感じるこの差異を埋めるために、グラフィックの上に4点の座標を線で結んだ矩形を描いて実際の衝突範囲を視覚的に表した図が登場した。
この表現技法がプレイヤーたちに受け入れられ、その結果この矩形範囲のことを「判定」と呼ぶのが定着していった。
ここから更に発展したのが格ゲー用語の「判定」になり、大雑把に言えば「技と技をぶつけた時の強弱の目安」ぐらいの意味がある。強い・弱いという言葉と組み合わせて表現される。
格闘ゲームでは判定に種類があり、攻撃範囲を「攻撃判定」と呼び、これを食らったか食らっていないかを判定するための範囲を「食らい判定」と呼ぶ。乱暴に言えば、格闘ゲームは自身の攻撃判定を相手の食らい判定にぶつけるゲームなのだ。
そのことを踏まえた上で判定の強弱が決定されるメカニズムに触れていくとしよう。
格闘ゲームではAの肘打ちとBのパンチがぶつかりあったのに、結果として攻撃を食らったのはBだけというようなことがまま起こる。下手糞な図で恐縮だが下記の図1の状況の後、Bだけがのけぞるということだ。これを他のプレイヤーに伝える際に判定という用語が登場し、今回の例だと「Aの肘打ちは判定が強い」というような使い方をする。
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図1.Aの肘打ちとBのパンチがぶつかっている。誰がなんと言おうと |
これはAの肘打ちとBのパンチが衝突して見える
そのイメージを下の図2に表してみた。赤が攻撃判定で青が食らい判定である。Bのパンチが腕の先まで食らい判定があるのに対し、Aの肘打ちは腕の部分に食らい判定がない。なので、Bだけが攻撃判定に触れている状態になってしまう。結果、Bのパンチが潰される。
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図2.図1に判定を加えたもの。ほら、当たってた |
これを受けて、判定が強い技とは「攻撃判定が食らい判定よりも大きく突き出ている技」を指すようになり、逆に判定が弱い技とは「攻撃判定よりも食らい判定が突き出ている技」を指すようになった。というか、格ゲーマーはそう学んできたはずで、彼らは「判定」と聞くと攻撃判定と食らい判定の関係について無意識に考えているのだ。
(なお、余談になるが、昨今の格闘ゲームではステートによって攻撃が当たる、当たらないの判定が行われることもある。なので下段無敵ステートの技に下段技をぶつけたがために一方的に負けるということもあり、必ずしも判定の所為とは限らなくなった)
●EXVSにおける「判定」とは
さて、ではEXVSでの「判定」とは一体何を表すのか?
これは格闘ゲームの用語を輸入する形なので「格闘同士をかち合わせた時の強弱の目安」であることには違いない。ただ、その仕組の違いから格闘ゲームでの「強判定」、すなわち「攻撃判定が食らい判定よりも突き出た技」がEXVSでの「強判定格闘」かと言うと必ずしもそういうわけではない。
この差異を理解していないと議論しても噛み合わなくなるので注意が必要だ。
これは格闘ゲームの用語を輸入する形なので「格闘同士をかち合わせた時の強弱の目安」であることには違いない。ただ、その仕組の違いから格闘ゲームでの「強判定」、すなわち「攻撃判定が食らい判定よりも突き出た技」がEXVSでの「強判定格闘」かと言うと必ずしもそういうわけではない。
この差異を理解していないと議論しても噛み合わなくなるので注意が必要だ。
ひとまず、EXVSにおける判定の強弱を格闘ゲームに寄せる形で説明しよう。
EXVSにおける判定の強弱は大きく分けて、相手よりも先に攻撃判定が発生することで「発生勝ち」しているか、格闘ゲーム同様突き出た攻撃判定を相手の食らい判定にぶつけることで「判定勝ち」しているかのどちらかに分けられる。
なので、格闘ゲーマー的には「発生が早い」か「判定が強い」と表現したほうがおそらく理解しやすい。
そして大変重要なことだが、EXVSで強判定とされている格闘はその多くが発生勝ちしており、判定勝ちで潰すタイプはほとんどない(というか、格ゲー的な意味での判定の強さが求められる場面がそもそも少ない)。
まとめるとEXVSにおける判定とは格闘ゲームで言うところの発生でほとんどが決まっており、格闘ゲーム的な意味での判定はあまり関係がないのである。
ではなぜ、発生ではなく判定呼ばわりされているのか?
これはVSシリーズにおける格闘が格ゲーほど繊細な駆け引きができないことと、判定という用語の意味の広さに起因する。
●EXVSにおける格闘
VSシリーズにおける格闘はそのほとんどが相手に向かって接近する動作と、実際に何らかの攻撃する動作の2つに分けられる。例えばビームサーベルによる斬撃を例に取ると、格闘ボタンを押すとサーベルを振りかぶった状態でスーッと近づいていき、距離が詰まるか一定距離を過ぎるとサーベルを振り下ろす動作に入る。格ゲーはかの有名なバイソンのダッシュパンチが比較的近い挙動を取る。
例としてありがたく活用させていただこう。
さて、俺は昨今のダッシュパンチをめぐる駆け引きには明るくないので太古の昔、スト2時代の話をさせていただく。この当時、バイソンはコンピュータ専用のキャラクタであり、この離れた間合いからダッシュパンチで突っ込んでくるというのを得意戦術としていた。気がする。
これに対する対抗策の一つに、相手の突進部分に大足払いを合わせるという物がある。攻撃判定のないバイソンの突進部分に足払いの判定を置いておくことで、相手のパンチが出る前に潰すイメージである。ダッシュで突進する分、どうしても発生が遅くなってしまうダッシュパンチの弱点をついた、というわけ。こう書くとそこはかとなくインテリジェンスを感じる。
閑話休題。
実はVSシリーズにおける強判定格闘が相手の格闘を潰すときは、だいたい上と似たような状況になっている。だから格闘ゲーム的には「発生勝ち」と言うほうがより正確というわけだ。
ただVSシリーズは意図的に格闘の攻撃判定を置くのが容易ではない。というのも、先刻言った通り、VSシリーズの格闘はそのほとんどがダッシュパンチに似た挙動を取り、なおかつ突進距離にそこまで大きな差がないことが多い。突進の短い小ダッシュパンチで先端を当てる、みたいな挙動はまずできない(正確に言えばできなくはないが、あまり有効な行動ではない)。
なので、EXVSにおいて格闘はかち合わせる以外なく、わざわざ発生だ判定だと使い分けなくても一語あれば事足りてしまうのである。
この強弱の表現に、そもそもの起こりが「攻撃同士のかちあいの強さの目安」であった判定という言葉が採用された結果、現在のような状況に陥っている。
さて、予想以上に長くなってしまったので、一旦ここで区切る。
今回のエントリーでは格闘ゲームにおける判定を基準に、EXVSにおいて判定と呼ばれているものとの違いについて述べた。同じ文字列ながら、その実態はまるで違うものであることが理解いただけたならば幸いだ。
次回はその違い故に発生する、EXVSにおける格闘の潰し合いについて触れていこうと思う。格ゲー的な判定のイメージだとハマってしまう思わぬ落とし穴について解説できると思う。