古くから対戦ゲームは人気ジャンルの一つであり、今日に至るまでの間に名作駄作含めて数多くの作品が産み出されてきた。
と、少なくとも俺は思う。
そんな多種多様なゲームを眺めていると色々と感じるものがある。
というわけで、今回は対戦ゲームにおける、短距離走的な要素と長距離走的な要素について書き記しておくことにする。
●定義
さて、いきなり短距離走的、長距離走的と言われてもピンと来ない人が大半だと思われる。何せ俺が勝手にいってることですので。
なのでまずはこの二つの定義から始めることにする。
ここで言う短距離走とは「いかに素早くトップスピードに乗せ、それをキープするかを競う競技」と定義する。同じく長距離走とは「自分のリソースを管理し、効率的に消費するかを競う競技」と定義する。
これを踏まえると、短距離走的性質とは「後先のことを考えずに瞬間瞬間で全力を尽くすこと」と表すことができ、長距離走的性質とは「先々のことを考慮して時には行動を抑えること」と表すことになる。
と、ここまでが定義である。
まあ、二つに大別してはみたものの、ゲームは大なり小なりそういう要素を秘めているものであり、完全に短距離走的あるいは長距離走的な要素でのみ構成されたゲームは少ない。
●短距離走的な要素の強いゲーム
ここではかの有名なブレイブルーの第一作、カラミティトリガー(以下、CT)を取り上げる。というのも、このCTこそが短距離走的という単語を思い付くに至ったゲームだからである。
このゲームはラウンドという短い区切りで別れており、そのラウンドを規定数先取したプレイヤーが勝利する。
さも特別そうに書いたが、このラウンド先取のスタイルは特筆するようなことではなく、対戦格闘ゲームにおいては割とスタンダード。実は、もともと対戦格闘ゲームというジャンルは基本的に短距離走的な要素が強いのだ。
さも特別そうに書いたが、このラウンド先取のスタイルは特筆するようなことではなく、対戦格闘ゲームにおいては割とスタンダード。実は、もともと対戦格闘ゲームというジャンルは基本的に短距離走的な要素が強いのだ。
では、なぜ敢えてCTの名前を挙げたのか?
それはCTにはラウンドを跨いで影響を与える要素が基本的にないという特徴があるからだ。
CTはこのエントリーを書いている時点でもう相当に古いゲームなのだが、対戦格闘ゲームという歴史のなかでは割と後発のシリーズだ。
対戦格闘ゲームはその様々な発展のなかでラウンドを跨いで影響を与える長距離走的な要素が組み込まれてきていたのだが、そんななか稼働を開始したCTはそれらを排除していた。
それはCTにはラウンドを跨いで影響を与える要素が基本的にないという特徴があるからだ。
CTはこのエントリーを書いている時点でもう相当に古いゲームなのだが、対戦格闘ゲームという歴史のなかでは割と後発のシリーズだ。
対戦格闘ゲームはその様々な発展のなかでラウンドを跨いで影響を与える長距離走的な要素が組み込まれてきていたのだが、そんななか稼働を開始したCTはそれらを排除していた。
その結果、プレイヤーは後先を考えずにそのラウンドに全力を尽すことができる。そして、ラウンドを跨いだら今までのことを一旦綺麗にリセットして、次のラウンドに専念するを繰り返して行くことになる。
むしろ、なにかを温存するのはまるで無意味なので、使える手があるならなんだって使うべきである。
例えばゲージなんかは吐き出さなくても勝てるとかならともかく、吐かずに負ける位なら吐き出せる所では吐き出すべきだ。躊躇するべきではない。
むしろ、なにかを温存するのはまるで無意味なので、使える手があるならなんだって使うべきである。
例えばゲージなんかは吐き出さなくても勝てるとかならともかく、吐かずに負ける位なら吐き出せる所では吐き出すべきだ。躊躇するべきではない。
逆に言えば、どれだけギッタンギッタンにされようが終わってしまえばラウンドを取られた以上の失態にはならないということでもある。
極端な話、1ラウンド目全くダメージを与えることなく負けようが、その後、規定数を取り返せば最終的な勝者はこちらなのである。
極端な話、1ラウンド目全くダメージを与えることなく負けようが、その後、規定数を取り返せば最終的な勝者はこちらなのである。
●長距離走的な要素の強いゲーム
では反対に長距離走的な要素の強いゲームとは何だろうか。ここでは電撃ファイテイングクライマックスを挙げておくことにする。
このゲームではゲージに加えて、ブラスト、切り札がラウンドを跨ぐ。詳しい話はどこか別の攻略しているページを参照して欲しい。
今回の話に使いやすいブラストを例に挙げると、パワーアップブラストは発動時に1本のゲージを確保しつつ、一定時間ゲージ増加の効果などを得られる。効果が切れると次はチャージが始まり、そのチャージが終わると再利用が可能になる。
ゲージ回収の効率だけ考えるなら、パワーアップブラストは貯まったらさっさと使ってしまうのが良い。100%で余らせておく時間が長ければ長いほど効率が落ちる。
ただ、ラウンドを跨いで持続はできないので、ラウンド決着時点で余っていた効果時間はまるまる無駄になる。決着が近いならその限りではない。……はず。
ただ、ラウンドを跨いで持続はできないので、ラウンド決着時点で余っていた効果時間はまるまる無駄になる。決着が近いならその限りではない。……はず。
まあ、まともな談義はプレイヤーに任せるとしてここでは「次のブラストを考えて、さっさと発動してしまう」という発想がある、できるということに着目していきたい。これが長距離走的発想である。
これにより「ゲージを吐ききれば倒してしまえるが、次のラウンド立ち回りに使えるゲージがなくなるからやりたくない」であるとか「ゲージを腐らせてしまっており、回転率を上げる為にそろそろ吐いておきたい」であるとか、リソース管理のウェイトが重くなる。
もっと言うと、「ラウンドを取られはしたが、ブラストとゲージは温存できた」であったり、「ラウンドを取ったが、ブラストとゲージを使い果たしており、相手側にはだいぶ差をつけられた」などの勝敗だけじゃないプラスアルファが加味される。
無理をしてラウンドを取った所でその後の戦況が悪くなってしまっては意味がなく、短距離走的な要素の強いゲームより慎重なプレイングが要求されると言えるだろう。
●終わりに
ここまでざっと短距離走的、長距離走的な思考について語ってきた。この手の思考を誰かに伝えようと試行錯誤してきた結果が今回の話なのだが、正直上手く言語化できたようには思えない。
ただ、戦術や戦略という単語を使ってみたり、短期長期と分けてみたり試行錯誤してきた中では、一番しっくりきたのは事実で、これが今自分にできる精一杯となる。
概念的な話が多く、実際のゲームにそっくりそのまま通用しない可能性は高いが、共通部分として読み取って貰えると嬉しい。