虚木零児です。頭の中に血が出たりしましたが、かろうじて生きています。
何やら格闘ゲーム界隈の住民が素朴な疑問を抱いていました。
最近になって「タメコマンドが苦手」って人が結構いるんだが、スト2当初なんてコマンド技出ないからタメのガイルが有利みたいな風潮すらあったのに何が苦手なんだろうって思ってしまう。
— GEEKS | カイヌマ(kainuma) (@tkintheglobe) March 2, 2026
コマンド技がどのように楽で、タメ技がどのように苦手なのか説明できる人いる?
幼い気持ちを忘れた大人たちよ聞け。どっちが簡単かなんてきれいに決まる話ではないのだ。
コマンドよりタメが簡単という話
それはね、あるんですよ。初めて触る人はボタンの連打と溜めコマンドで簡単に技が出せるブランカやE.本田がオススメ! みたいな声はスト2当時ありました。特にリアル小学生だった僕らは理解できる部分もありました。スクリューパイルドライバーなんて出せないじゃん! みたいなね。
でもそれって、スクリューパイルドライバーは、じゃなかったですか?
昇龍拳の入力方法みたいな話からそうなんですけど、波動拳は簡単みたいな話はあり、コマンドごとにヒエラルキーというか、Tierはある訳です。波動拳なんて簡単に出せる雑魚で、昇龍拳はそれより上、スクリューはノーゲージ技では頂点クラス。……みたいなね。
ただスクリューも構造がわかっていないから無駄が多くて難しくなっているだけで、立ったままスクリューを出すのはそこまで難しい話じゃありません。SFCのスト2遊んでたけど、ついに出せなかった! という気持ちは僕もわかりますが、後年に一回転コマンドとは「4628の4方向が入っていればいい」という仕組みがわかってからチャレンジすると出来ました。あなたもきっと出来ますよ。8とほぼ同時にボタンです。サマソが出来てこれが出来ない理由はないだろう?
……格闘ゲーム習熟の段階において必殺技のコマンドって我々が思っているより早い。何年やってもコマンド技が出せない……というのは考え難い。というか、そこまで苦戦している人は格闘ゲーム続かないんですよね。特に最近のゲームとなればなおのことそう。極端な話、左腕に障害があるぐらい無いと全く出せないということはない。
Tierの話でいうなら、タメコマンドと波動・竜巻のTierを分けるかは微妙なラインだとは思います。難しいのレベルで言えば、回転で対応できない昇竜コマンド、単純に長いヨガ、上が含まれるスクリューなど、スト6だけなら分けられなくはないんですが、ここに「レイジングストーム」だとか「収束する世界(マイト アトラス)」とか入り始めると「タメと波動なんて微差でしょ」みたいな話にはなるわけです。
もちろん、格闘ゲームなんて技が出せればそれでいい。なんて簡単なものではありません。赤ちゃんが意味のある単語を発するのが一歳前後、というような話で、講演会で流暢に発表するまでにはまだまだ遠い。ゲームの熟練者から見て、この人たちコマンド入力まだまだだな……ということは十分にありえる話です。それはそう。
プレイヤーの成長・習熟の段階、あるいは課題意識の中からコマンドが消えることはなくても「出せる・出せない」についての突破は思ったより早く、入力が簡単という優位性は思ったより効力が弱いのが実情でしょう。
その上でタメにはタメの難しさがあるよね。
EXVSから学ぶタメ
今対戦アクションゲームで一番進んだタメはEXVSにある!
……というのは過言ですし、格闘ゲーム一般の溜めコマンドとは大きく違うのでそのまま他起用するのは無理がありますが、それでも見えてくるものがあります。
さて、チャージショット自体は連ザの時代に登場しており、事前のボタンホールドが必要な代わりに、リロードの必要がない武装が多く割り当てられていました。リロードを考えなくて言い分、気軽に使えるのでリソース管理が重要なこのゲームにおいてはリソース節約を兼ねられる行動でした。最近はそうでもありません。ただのコマンドの一つです。
一方で、他のコマンドと大きな違いとして“事前に準備が必要なこと”が挙げられます。サブ射撃、特殊射撃などがリロードさえ終わっていればすぐ使えるのに対して、チャージが完了していないと出ません。セカイン当たり前の最近のレベルでは気にする人もあまり居ないかも知れませんが、ああ、今タメであればなぁ……は普通にあり得る話です。
格闘ゲームはコマンド入力はレバーをガチャガチャしてから最後にボタンを押すので動き出しはEXVSよりは早くならざるを得ません。ここまでにボタンを押さなきゃというタイミングから考えるとコマンド入力にかかる時間分、早く動かす必要があります。
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| ▲図1.コマンドがあると早く反応する必要がある |
溜めコマンドはそれに加えて、溜めが必要な訳ですから、それを考えるとプレイヤーはさらに前から準備が必要になりますよね。タメ時間が終わっていないと技が出ない訳ですから。
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| ▲図2.タメは更に前に完了の必要がある |
そもそも、ワンボタンSAに連日があれだけ目の敵にされてるじゃん? あれだって、俺達はこんなに早く動き出しているのに、なんでポン出しで同じことできるんだって言い分じゃないですか。発生遅くしろって言い出すってことはね。
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| ▲図3.ワンボタンって卑怯じゃね? |
個別に考えれば「キャラが……」とか「納得性が……」とかキリがないんですけど、ある行動に対して事前に準備をしておくって意外とストレスだし、難しいと感じてる人は案外多いですよね。
まあ、相手の攻撃に合わせられるようにレバーをぐるぐる回すのと、斜め下方向に溜めておくのとどっちが楽か? みたいな話はあります。俺達はコマンドの複雑さを克服したわけではなかったのだ……。
その他にも色々
さて、他にもEXVSだと……
- 溜めの状況がゲージで視覚化されている
- リリースからなくなるまでも視認できる
- 溜め完了が視覚と聴覚で通知される
なんですよね。溜まっているか、いないかは感覚に頼らなくてもわかる。ところが格闘ゲームは溜めの状況・完了については感覚を磨くしかありません。まあ、そもそもが同じ画面を見ている設計だったんだから、溜め完了を通知したらバレるだろ? とかありますので、通知してくれっていう話でもありませんが、この感覚が育つまでは難しさを感じる所だと思います。その点、コマンド技は使えないタイミングがわからないことはほとんどありません。
また、レバーをホールドしないといけない以上、移動は制限されてしまう訳です。前に歩くとソニックの溜めは消えてしまう。しゃがめば後ろには下がらないとは言うものの、前に出るのは難しい。サマソを使いたければしばらく座ってないといけないのも同じことです。いや、タメって君が思っているよりは短いから……という話も理解出来なくはないんですけど、それが習熟できてない人にとっては難しいですよね。っていう。
EXVSは射撃や格闘が制限されるんですけど、移動には影響がでないのも、位置取りゲームとしてはありがたい部分ではあります。じゃあ、格闘ゲームでもゾンクナックルとかターンパンチのが簡単かと言えばそうでもないってのが難しいところではあるんですけど……それだけ格闘ゲームでは何でもできる状態でいたいという圧力があるのかも知れません。
まあ、何が難しいかなんて人によって違うと言えばそれだけですが……他人を理解しようとする心持ちと、他人に理解されたいという思いこそが重要なんじゃないですかね。
飽きたなんてそんなそんな……。
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