虚木零児は感心した。とりあえず、突然出てきたローグライトゲームを褒めちぎらねばならぬと決意した。虚木には無双シリーズがわからぬ。虚木はカプコンの信徒である。二槍を振り、六爪を持って戦場を駆けてきた。けれども、チャレンジングな新作とコケるのではないかという期待には人一倍敏感であった……
というわけで無双アビスの話です。
ちなみに言うと、僕はヴァンサバも別に詳しくはありません。何しにきたんだコイツ。でも、大ナントカDXとカグラナントカー、生きて、カエル君!はやったことあります。俺ならやれますよ。やらせてください。
……生きて、カエル君! ってなんだよ。お前昔はそんな名前じゃなかっただろ。
◆英傑、地獄平定に向かう
物語としては地獄の奥底に眠る悪しき存在を何とかする為に英傑が呼ばれ、亡者蠢く地獄を上層から深淵に向かって突き進むというものになります。細かい話はよくわかりませんが、わからなくてもいいと思います。
プレイヤーが操作するのは間違いなく英傑その者なんだけれども、なんかこう神秘的な力で呼び起こされていて生の肉体ではない感じ。これもまたよくわかりませんが、こういうのは雰囲気なんですよ。我々は雰囲気で地獄に潜っている。
ゲームとしては本筋の無双とは全然違う、斜め見下ろし型なので、普段のゲームと比べるとキャラクターは小さめ。チャージ攻撃などのアクションは踏襲してるようですが、迫力として考えるとちょっと地味かも知れません。スープレックスおじいちゃん(黄蓋というらしい)とかも居るんですが、流石にカメラがカメラなんで単体だとあんまり映えない。おかしいな、無双は醜男が美男子をプロレス技で辱めるゲームだと思っていたんだが……
実際の所、ゲームの華は区画クリアで解放される英傑による援護だと思います。操作する英傑のチャージ攻撃などから派生する形で中身に引き入れた英傑が召喚され、そこから援護攻撃を繰り出してくれます。援護攻撃は固有モーションはほとんど泣く、系統分けがされています。キャラの数は百体超えても種類はそこまではありません。攻撃種掛ける属性の構成なので全く同じという人はあまりいないですが、攻撃種が同じという人は少なからずいます。弓だけ得意そうな人はだいたい五月雨撃ちと思っていい。
まあ、味気ない言い方をすると本家サバイバーで言うところの武器なんですよ。役割としては。自分で発動タイミングを選べて方向とかも指定できるタイプの。そう言うと一瞬「うーん」とはなるかも知れませんが、逆に考えてみてほしい。あるキャラが長らく戦って習熟した熟練の業前を武器拾っただけで再現ってのがおかしな話じゃないですか、むしろ無双アビスのようにピンポイント召喚で披露させる方が自然まである。あると思います。
そういう意味でも生身でないのは大きいのかなとも思います。英傑ってのは気軽に出し入れするにはあまりに大き過ぎますからね。無双OROCHI2では画面外から飛び出してきませんでしたっけ? みたいな話は見ないふりをします。
虚木は無双がわからぬ。
◆必要なものは全部英傑が与えてくれる
さて、先程は本家で言うところの武器のような役割と言いましたが、実際はもっといろいろな役割を秘めておりまして、ステータスにも影響を及ぼしてきます。英傑は一人当たり1~4つのアイコンを持ちます。大きく分けると力、技、堅、速、知、魅という基本能力を示すアイコンと、炎、氷、風、雷、斬という攻撃属性を示すアイコンの合計10種。このアイコンの数が増えれば対応するステータスがアップするという代物です。
大体の英傑は2つ、みんな大好き呂布奉先みたいな強力な戦士なら4つ、逆に戦いに向いてなさげな女性は1つだったりします。前述の通り、英傑の入手タイミングは区画終了後のくじ引きがメインなので、単純にステータスへの影響だけなら強力な戦士を仲間に引き入れるべき、と言いたいところですがその辺は後述します。
力が増えれば攻撃力や攻撃範囲が、技でアクションの幅が増えたり攻撃速度が上昇。魅が上がれば召喚のクールタイムが減少しだすし、知が上がると召喚技の攻撃弾数が増えたりといった具合です。なにせ、初期状態だと回避に無敵すらなく、技の数も足りないので、各種アイコンはある程度満遍なく持っておいたほうが無難そうでした。
さて、アイコン、援護攻撃以外の英傑の特徴が固有奥義。召喚可能な編成に含めているキャラクターのものだけ効果を発揮するものであり、攻撃性能を強化したり、召喚のクールを短縮したり、あるいは特定条件下だと勝手に召喚したり、あるいは、条件にあった味方を一緒に呼び出したりと幅広い特徴を持ちます。
この発動には条件があり、前述の能力アイコンであったり、特定のキャラクターの参入有無などが参照されます。小喬とかアイコン1つだけど、仲間の召喚技や奥義の条件となっているのでそれ目当てで仲間にしておくとかは十分あり。まあ、あと一人、軍師が来ないとコイツの奥義が発動できねえんだで、くじ運悪くて引き入れられないというのもアビスというものですが。
奥義自体は強力かつ愉快なものも多く、例えば森蘭丸は「織田」の系統を持つ、英傑が呼び出されればお供として推算してくれるのですが、これには自分の状態が関係ありません。つまり、編成を織田軍で固めるといかなるチャージ攻撃からでも蘭丸が飛び出すということも可能な訳です。休み無し鬼の稼働率。これはひどい。
一方、ねねは逆に自分が出る時に系統「豊臣」のキャラを一緒に呼び出すタイプ。こちらも呼び出される相手のクールタイムを無視するので、しばらく休みだなと思っていてもねね様から号令があれば飛び出さなければいけません。それもそれで、どうなんだ。
ちなみに豊臣秀吉はもちろん豊臣なので、ねねには逆らえません。よく知りませんが、そういう関係性なんでしょう。
なお、秀吉は豊臣であると同時に織田でもあるので、蘭丸がお供してくれます。これは秀吉単体の召喚のみならず、ねね様に呼び出された秀吉でも同様。系統、豊臣を持たない蘭丸はねねからは本来なら呼ばれないはずなんですが、秀吉様が出られるのであれば蘭丸もお供をしてくれるんですね。なんていい奴なんだ、森蘭丸。こういう奴が大成すべきなんじゃないか。
ちなみに豊臣秀吉は織田信長、豊臣秀吉徳川家康が居ると織田、豊臣のクールタイムを30%減。同じく豊臣軍勢の大谷吉継は系統・才賢持ちのクールタイムを20%減。ここに魅アイコン溜めると得られる全体50%減の効果が乗ると……才賢溢れる豊臣の一員、ねね様はクールタイムがなくなって召喚し放題になります! スゴイ!
まあ、つまりそれは、豊臣軍は休み無しの地獄の稼働率になるという話にはなってしまうんですが。地獄だからって何もそんな働き方しなくても……
◆力を合わせて
ゲーム的には区画を突破し、ボスを撃破し、階層が深くなれば出てくる敵も倒すべき数も増えてドンドン厳しくなっていきます。が、その頃にはこちらも戦力が増強されて、先の様な状態になれるので立ち向かっていきましょう! というお話になります。実際、豊臣組は初心者にもオススメで僕も初踏破は固めて彼らの力でした。豊臣軍の切り込み隊長と言えばくのいちですよね。え? 真田? いいじゃないですか、昔の話は。
ちなみに豊臣みたいに人材が豊富で噛み合いもいい勢力は自前で0を目指せるかも知れないが、友達が少ない木っ端勢力はどうすればいいんだ、というフシはあります。
この点は階層クリア時に手に入る遺宝の力を借りれば大丈夫。自称マイナー勢力好きのみなさんも安心していただければなと思います。無双に出番あるキャラがマイナーな訳ねえだろ。多少のデメリットはあるし、スロット限定ながらも赤兎馬、松風は脅威のクールタイム50%減ですから、前述の魅アイコンによる50%減と合わせれば、他一切の減効果なしでも0にはなります。まあ、遺宝もランダムなので必ず手に入るとは限らないんですがね。
ちなみに、この記事を書いている途中でアップデートで晋? の英傑が追加されましたが、僕のプレイでは司馬昭くんが赤兎馬と貂蝉の魅力にやられて、こき使われる羽目になりました。それもこれも貂蝉が魅保有数を1.5倍にするのがよくないんですよ。それなりに集めないと行けないはずの50%減少もすぐでしたよ。
この話、何が酷いって司馬昭の固有奥義は系統「晋」の英傑をまとめて呼び出すタイプなんですよね。一族郎党(?)がこき使われてしまう訳。もちろん、同時期追加の王元姫も系統としては「晋」なので、美女の言いなりとなった彼の配下として戦場に出ざるを得ません。僕が知ってる二人はこんな間柄じゃなかった気がしますが、無双アビスはそういうゲームなので仕方ないですね。もうあの兄ちゃんも「めんどくせ」とか言っている暇はありません。
まあ、呼び出された時のセリフにあるから言うんだけども。
◆とは言いつつ、毎回うまく転がる訳もなく
などと花を咲かせて来ましたが、毎回毎回こう上手く行くかと言えばそんなことはありません。英傑がある程度ランダムな以上、ツモ運に左右される部分はあります。桃園の誓いを目指したものの最後まで劉備が来なかった……なんてことも珍しい話ではありません。
「与えられた手札の中で最良を目指す」のがローグライトじゃないですか? と言われればその通りではあるし、そこが面白い所だと思うので文句はないんです。ただ、この記事で僕がうまくいった時の話だけ見て「どんなビルドをいつでも完成させられるんだな……」みたいな理解はして欲しくないってだけです。
実際、僕は「魏の五将軍」が4枚揃った記憶がありません。あまりに揃わないので疑いに疑って実はまだ実装されてないんじゃないかと確認したレベルです。結果だけ言えばちゃんといました。そらそうよ。
もちろん、冷静に考えれば百体以上いる中から特定の5枚を揃えるのと、複数いる系統持ちからどれか5枚揃えるだと、後者が楽と言うのはわかります。さらに付け加えるなら攻略するうえでは必ずしも五将軍揃えないといけないようなものでもないので、他ビルドが成立して気にしてない周回でどうだったかとなると、実際わかりません。もしかしたら、あるプレイで揃えるチャンスがあったんだけど、僕が織田に浮気していたので揃わなかったんですよ。と言われると反論の余地はありません。
いや、むしろ、揃えたとして強いんですか、コイツらは。って話ですよ。実際、爪つけたイロモノ臭いのがトリガーの時点で不信感があるんやけど。張郃が飲み会開いたら皆来てくれんの? ホンマに? 蜀の幹事は関羽やで? 遅れてきた馬超が「関羽で予約は入ってると思うんですけど」って言ってる横でアイツに「こっちですよ!」みたいに手招きされて本当に耐えられるんですか? 人違いですって言うでしょ、どうせ!
……さて、僕の負け惜しみはともかく、実際の所、将来に向けて受け皿を広く作りつつ、集まった英傑から組み合わせを見出す楽しみみたいなのが最近わかるようになりました。無双キャラに対する心得があまりになくて「服青いから【魏】やろ」みたいな知識の僕でもそれなりに楽しめていることを思えば、ファンの人はもっと楽しいのではないでしょうか。
正直、そんなにやり込んではいないので累計レベルとかは未だによくわかってはいないし、踏破レベルとかも全然伸びていないんですが、無双は黙々と多数のキャラクターを育てたりするゲームと聞いているのでそういうシリーズが好きな人にも十分楽しめるんじゃないかと、僕なんかは勝手に思っているワケです。はい。