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2024年4月19日金曜日

僕とクイーンズブレイド

虚木零児です。

なんとクイーンズブレイドが20周年だそうで。息の長いコンテンツ……と言っていいのかは甚だ疑問ですが、まあまあめでたい話なのではないでしょうか。

特設サイトはこちら(https://queensblade.net/20th/)から。

特別企画として新作縦読みコミックも配信される運びとなり、これはもうますます目が離せませんね!

……いや、嘘はやめましょう。最近、ほとんど見てませんでした。正直。

んなもんだから、もう知識も記憶もあやふやなんですよ。加齢で脳も衰えていくんだから、ここらで一度文書にして外に追い出した方がいいかも知れない。

そう言う記事ですので、正確性だとかは保証しかねます。一応、ざっと裏取りはしましたが、念入りに確認をした訳では無いので、そのつもりで。

◆クイーンズブレイド

4年に1度開催される、女王を決めるための闘技大会、クイーンズブレイド。世界中から集まった美闘士たちの戦いの火蓋が切って落とされようとしていた……という簡素なストーリーと共に二冊の書籍、流浪の戦士レイナ荒野の義賊リスティが発売され、クイーンズブレイドの歴史が始まったのが2005/11/25 の……20thって来年じゃねえの?

歴史の話をすると、厳密にはアメリカで1983年に産声を上げたロストワールドというゲームブックが本当のスタート。お互いにキャラクターブックとシートを持ち寄り、一対一ないし多人数で戦う構造で白兵戦にフューチャーしたアナログゲームになります。

特徴としてはブックには対戦相手から見たキャラクターのイメージが描かれていること。武器を構える姿、振り回す姿、あるいは攻撃を受けて負傷する姿などなど、状況に合わせた臨場感ある姿が描かれている……らしいですね。

俺が持ってるわけじゃないんだな、これが。

クイーンズブレイドとはこのロストワールドのバリエーションとも言えて、ホビージャパンが日本で展開するにあたって世界観やストーリーを肉付けし、キャラクターやビジュアルを変更したブランドになります。見た目はともかく、システム的にはロストワールドのキャラクターとクイーンズブレイドの美闘士たちは互換性があるので戦わせることも可能のなっています。

さて、一般的なクイーンズブレイドの認識と言えば美女同士が戦うと服が破れて大変な目にあうみたいな印象が強いんじゃないかなぁと思いますが、これは日本展開に際してホビージャパンが打った妙技というヤツ。前述の通りロストワールドの時点で被ダメージ描写は描かれているんですが、これを女性に限定して艶姿にしてしまうことでゲームブックだけでなく、いわゆる画集のような価値を付加したんですね。これで一緒に遊ぶ友達がいないオトモダチでも安心。

まあ、それの所為でえっちな演出の入ったゲームブックというよりは二冊あるとゲームも出来るえっち本になったのではないかという話もありますが、そのへんの話は一旦おいておきましょう。

後に続編シリーズが展開されるので便宜上、1stに位置付けられることになるこの無印QBはそれなりのペースでキャラクターを発刊していき、世界観を広げていきました。ざっと起こすとこんな感じ。

クイーンズブレイドの刊行データ
刊行日タイトルアーティスト
2005/11/25 流浪の戦士 レイナ久行宏和
荒野の義賊 リスティえぃわ
2005/12/28 牙の暗殺者イルマ赤賀博隆
森の番人ノワ平田雄三
2006/06/09 武者巫女トモエえぃわ
歴戦の傭兵 エキドナF.S
2006/09/29 古代の王女メナスF.S
近衛隊長エリナ久行宏和
2006/12/23 冥土へ誘うものアイリ高村和宏
高貴なる戦士レイナ ★M-RS
2007/03/16 光明の天使ナナエル空中幼彩
武器屋カトレ金子ひらく
2007/06/29 炎の使い手ニクス黒木雅弘
帝都の聖女メルファズンダレぽん
2007/10/18 千変の刺客メローナF.S
雷雲の将クローデット久行宏和(デザイン)
2号(ページイラスト)
2008/02/15 鋼鉄姫ユーミルみぶなつき
2008/06/20 戦闘教官アレイン松竜
逢魔の女王アルドラかんたか
2020/09/30 甲魔忍軍頭領シズカえぃわ

 参考:クイーンズブレイド製品情報

刊行は全10シリーズ19冊ですが、★をつけた高貴なる戦士レイナは見た目的には流浪の戦士レイナの3D モデリング版。ゲームブック的には性能違いではありますが、キャラクターとしては同一人物なので18人。外伝的な絵巻で登場して、アニメでも活躍したシズカが2020年に発刊されて19人。彼女たちが女王の座をかけて戦い、その中で乱れていくというワケ。

それぞれのキャラクターは武器などの装備、性格や好物、それぞれの相関なんかも設定されていました。武器についてはロストワールドとの互換というか流れを汲んで結構細かめ、それに加えてロストワールドではあまり意識されてなかったそれぞれの相関関係なんかも結構いろいろと書かれています。リスティの方はレイナとのライバル、対を成すようなイメージがあって、2枚看板を画策していたのが伺えますね。エリナ、レイナの姉妹に、腹違いの長姉クローデットが加わって三姉妹とか、古代から蘇ったメナス、死霊のアイリ、シェイプシフターのメローナは沼地の魔女の尖兵とか、いろいろな人間模様があるんですよ。

ボス的なポジションとしては逢魔の女王 アルドラで、クイーンズブレイドを連覇して女王に君臨し続けている強者。ゲーム的な性能はともかく、設定上は無茶苦茶に強く、逆らうものは実力で黙らせる恐怖の象徴でもあります。一方で、女王として力を振るうのは生き別れた妹のためで、今も探し続けている人物でもあります。あと服装が卑猥なのも特徴的。

ちなみに初期のキャラクターデータはロストワールド既存キャラにベースがあったのは有名な話で、レイナが剣士がベースなら、アルドラはメデューサ。どうしても人型の美女にする関係上、一部データ修正があったりはしたみたいですし、LW本家スタッフ協力で作られた新キャラもいた様子です。メルファはともかく、メローナに類似キャラがいないのとかちょっと意外ですね。人型にすらこだわらないLWのほうが姿を変えるキャラクターを思いつきそうな気がしますけどね。メルファは変態でないと無理だから仕方ないけど。

ちなみに、レイナ剣士に対して、リスティはジャイアントゴブリンです。僕が時折、リスティをゴブリン扱いするのはこれ由来ですね。皆さんは真似しないでください。

興味のある人はこちらのサイトをどうぞ。両面から解説されています。

 参考:Lost Worlds: ホビージャパン版LW作品について

さて、企画としての滑り出しが好調だった為か、それとも最初からこれぐらい力を入れるつもりの企画だったのか。メディア展開なども順調に行われ、漫画、小説以外にも、ストーリ補完も兼ねた画集なども発売。ホビージャパンだからか立体も多数……だったと思いますが、これはホビージャパン内で優先的に紙面割いてもらってたのかも。

地上波ではレイナなどの一部キャラクターの設定をアレンジしつつもアニメも放映されましたし、PSPでビデオゲームにもなりましたね。開発はバンプレスト。流石にPVは消えてしまったようですが、当時の記事も残っています。懐かしいなぁ!

 参考:ギャル型モンスターを捕獲して仲間に,「クイーンズブレイド スパイラルカオス」最新情報! 「キャラホビ2009」公開のPVも掲載 - 4Gamer

ゲームのメインビジュアルが最初期キャラで顔とも言えるレイナはともかく一緒に見得を切るのがトモエナナエルというね。あれ? リスティさん?

これは当時から薄々感じていた話でして、美闘士内でも人気に結構な差があったっぽいんですよね。正直に言えば、僕も好みがあるので、全員同じぐらい好きってこともなく、順番がついている部分はあります。全員が同じぐらい人気ってこともないだろうというのも想像はつく。ただ、それがキャラクターやグッズの展開に作用してるとなると、ちょっと話が変わってくる部分あるじゃないですか。

もちろん、レイナとトモエでは釣り合わないみたいなことは思いません。西洋風に対しての和風、露出の多寡などの面は対比になりつつ、人格面では人権的、善良よりで人々との和睦をもって良しとする部分なんかは共通してますので、いい感じのライバル関係だとは思います。二人もまたライバル関係みたいな感じはありました。リスティじゃなきゃダメだなんて言いませんよ。

でもだからって、外部展開になると単純にデザインも性格も可愛いアイリであったり、デザインも能力もかなり攻めたメローナなどの人気キャラが外部露出が増えて、リスティはあまり出番に恵まれなくなるの結構キツいですよね、キャラクターのファンにとっては。もっと言えば物語的には実力が低めの設定で、物語としては主軸になりやすいレイナとの絡みが弱いイルマノワは知名度が伸び悩んでいた印象を受けました。人気なんて水物ですし、予想も難しい部分なので差がつくのは仕方ないにしても、人目につく機会が減って更に水をあけられるループに陥ってしまってたんじゃないのかな。作中屈指の実力者に数えられるエキドナアレイン辺りは外部メディアで見せ場が貰えたりするんですがイルマとノワは彼女らの弟子ぐらいの立ち位置なので……

このあたりは結構不利キャラは厳しくて、キャラクター単体のインパクトで考えても、鉄板とも言えるメイドのアイリや人外ゆえの大胆なコンセプトのメローナを抜いても、当時としては莫迦デカい乳に分類されるカトレア、どうみても卑猥な体勢聖なるポーズディバインポーズと言い張るメルファ。4Gamerの記事からも分かる通りTPOによってはビキニトップ着ないといけない古代の王女 メナスとかと比べられるワケですから、イルマなんて服装で取り締まる風紀委員ぐらいカタいですよ。

牙の暗殺者 イルマ(カバーイラスト)
▲公式サイトより、イルマ

……そんなことはないね?

実態としては周りの頭があまりにおかしいという話なんですが、逆に言えば頭のおかしさでも埋もれてしまうとゲームのファンまでは通じても、そこから外部に出ていく機会があまりなかったのかなぁっていう。だって、ゲームファン以外が炎の使い手 ニクスの話してるの見たことないもんな。一説によるとゲームのキャラとしては強いらしいです。

◆クイーンズゲイト

と言った感じで、クイーンズブレイドが一定成功を収めた中、他の作品とのコラボレーションが行われるようになるのですが、それらのブランド名がこちらとなります。

異なる世界をつなぎ合わせる、クイーンズゲイトによって異世界から美闘士たちがぶつかり合う。位の位置付けでストーリーはほぼありません。既存キャラならだいたい出れる位の感じでしたね。勿論、クイーンズブレイド、ロストワールドとの互換あり。

僕の認識はいろは、不知火舞ぐらいで止まっていましたが、その後ディズィー、ミナと続いていた模様。ラインナップはこんな感じ。

クイーンズゲイトの刊行データ
刊行日タイトル出展作品
2007/11/30 門を開く者 アリスニトロプラス
魔法少女 虹原いんくもえたん
2008/04/18 恩を返すもの いろはSNK(サムスピ)
2008/10/31紅の忍 不知火舞SNK(餓狼伝説)
2009/04/30運命の子 ディズィーARC SYSTEM WORKS(ギルティギア)
2009/11/28聖弓の射手 真鏡名ミナSNK(サムスピ)
2010/02/27運命のくノ一 かすみテクモ(DOA)
チャムチャムSNK(サムスピ)
2010/04/30格闘令嬢 リリバンダイナムコ(鉄拳)
2010/02/27赤銅の人形遣い カーチャ聖痕のクェイサー
一年A組委員長 服部 絢子いちばんうしろの大魔王
2010/09/30覚醒せし剣姫 柳生十兵衛百花繚乱 SAMURAI GIRLS
2011/03/25絡みつく孤高の刃 アイヴィーバンダイナムコ(ソウルキャリバー)
2011/04/28剣姫軍師 真田幸村百花繚乱 SAMURAI GIRLS
2011/08/11蒼の継承者 ノエル=ヴァーミリオンARC SYSTEM WORKS(BLAZBLUE)
2011/09/10神速の封刃 タキバンダイナムコ(ソウルキャリバー)
2012/01/20蜀の武神 関羽BaseSon(恋姫シリーズ)
2012/03/17運命に翻弄される娘 ピュラ バンダイナムコ(ソウルキャリバー)
2012/06/29少女雀士 スーチーパイジャレコ(アイドル雀士スーチーパイ)

 参考:クイーンズゲイト キャラクター

サムスピとソウルキャリバーから呼びすぎじゃない?

とはいうものの、そもそものロストワールドというゲーム自体が武器を持った戦士たちが白兵戦で戦うゲームなので、この二作品のキャラクターは相性がいいんですよね。特にサイドスイング(横薙ぎ)をしゃがんだりジャンプで避けて、しゃがみが読めたらダウンスイング(振り下ろし)で叩き潰すみたいな駆け引きが元々あるゲームの出身なので。嫌な言い方をすると、武器を使っての戦いをゲームシステムに落とし込む以上、そういう落とし込みになるよなという話ではありますが、まあいいじゃないか。

こうして振り返ると、どうせならもっとラノベとかから呼べたほうが良かったかも知れませんね。まあ「あなたのキャラを他キャラと戦わせて、服をビリビリに剥いでももいいですか?」にOKを出してくれる人は意外と少ないかも知れませんが。なによりロストワールドとも互換があるので、ヒルトロールと戦って殺されても大丈夫ですか……? みたいな話にもなりますしね。

時代が時代なら出てほしかったキャラとかいるんじゃないですか、皆さん。

とは言うものの、結構な数のキャラクターが発刊されていることから、そこそこ人気のある企画であったことがうかがえると思います。

ちなみに、PSPでクイーンズブレイドの続編という形でゲームも発売されました。

 参考:「クイーンズゲイト スパイラルカオス」,見た目も能力も変化するコスチュームチェンジの情報と前作からのデータ引き継ぎ特典が公開に

こうやって見ると美少女版のスパロボみたいだな。戦闘カットとかもそれっぽいし。

◆クイーンズブレイド リベリオン

さて、クイーンズゲイトを展開しつつ並行して発刊されていったのがこちら。ゲイトが番外編的な立ち位置なら、こちらは正統な続編。

女王アルドラは流浪の戦士レイナとの戦いに敗れ、女王の座を退いた。レイナが辞退したこともあり、新たな女王にはクローデットが就くことになった。彼女の人柄を知る者たちは今後の治世はきっとよくなるものと信じていたのだが……一年が経つ頃には前女王をも上回る凄まじい軍事国家化が進み、逆らうものは力でねじ伏せる恐怖政治が顕在化、大陸には専科が広がり人々は再び苦しめられることに。追い打ちをかけるように女王クローデットによる、永遠の女王宣言とそれに伴う、クイーンズブレイドの廃止の宣告。もはや彼女の支配を覆す者はいないかと思われたそのとき、騎士姫アンネロッテが集った仲間たちと共に立ち上がり叛逆を開始する……

というワケで、時系列的には無印シリーズから数年後の世界。初代シーズンのキャラクターも存在はしているものの、通り名が変わったり、姿が変わったり、まるで人が変わったようだったりと色々と変化。とはいえ、ほとんどはストーリー上のみの登場で、ゲームブックに続投したのは別キャラに変化してしまったアルドラと、新キャラとニコイチ、ギミックとなったユーミルのみ。まあ、互換性がある以上、マイナーチェンジ程度ならいらないという事情もあるでしょうし、詳細は後で話しますが、呪いとかがあるのでゲームのキャラクターとして起こすのも難しそうだし。

それはさておき、ラインナップはこんな感じ。

クイーンズブレイド リベリオンの刊行データ
刊行日タイトルアーティスト
2008/11/29 叛乱の騎士姫 アンネロッテえぃわ
2009/04/18 超振動戦乙女 ミリム蔓木鋼音
2009/04/18 錬金の奇跡 ユイット&ヴァンテ小梅けいと
2009/09/26 魔師ターニャンとサイニャン中野友和
2009/11/28 異端審問官 シギィ織田non
2010/01/16 月影の踊り手 ルナルナF.S
2010/04/30 宝石姫エイリンと鋼鉄参謀ユーミル緋色雪
2010/07/31 召喚士 アルドラかんたか
2011/02/10 大海賊 キャプテン・リリアナ森沢晴行
囚われの竜戦士 ブランウェン織田non
2011/07/29 神罰の執行者 ライラ赤賀博隆
2011/12/16 戦神の侍 イズミ空中幼彩
2014/03/29 沼地の魔女 ウェルベリア松竜

 参考:クイーンズブレイド リベリオン製品情報

当初からストーリー重視でゲームブックよりも先に小説などでストーリーを見せてから、キャラクターを発行した……らしいですが、僕は気にしてなかったです。書籍やグッズはほとんど追いかけてないからな。

悪役ポジは女王クローデットと見せかけて、沼地の魔女ことウェルベリア。無印の時点でメナスやアイリたちを操っていたことが明らかになっていましたが、冥界の魔姫 ウェルベリアの肉体を乗っ取ることで本格的に攻勢を強める物語。レイナ、トモエ、リスティ、アレイン、クローデットといった有力な美闘士たちを呪いで弱体化させるなど、狡猾な立ち回りが光ります。クローデットの人の変わったような圧政もこの呪いの影響。トモエは盲目に、幻影の戦士 マリアどう見てもレイナは眠りの呪いを受けていて長時間の眠りが必要な身体にとかなり重い枷が。リスティは食事や睡眠などの欲が満たせなくなり弱体化、アレインは森の外に出られない……だった気がしますが、記憶も残ってないし記述も見つけられないっていうね。ちなみに若干脳天気なところがあったユーミルも鋼鉄参謀と呼ばれるようになってからは人が変わったように冷酷に……なったのは、潜入したメローナが変化した偽物だから。この魔女、根回しが良すぎる。

ちなみに、ウェルベリア自体はアルドラ、および、アンネロッテの母親です。今は沼地の魔女に身体を乗っ取られているのがちとややこしい所ですね。前作からアルドラが探していた生き別れの妹がアンネロッテで、アルドラがとんでもないのは前述の通りで、アンネロッテも時折魔人化してしまいましたね。運命に翻弄されるタイプの親子だ。

メディア展開も立体物も作成され、TVアニメも放映されており、現状を思えばまだまだ元気がありましたね、このころは。ビデオゲームは出なかった気もしますが。

世界の方は錬金術が発展して、機械的なものが登場するようになりました。ヴァンテなんて見るからに機械人形的ですし、ミリムが装備している超振動なんとかも戦闘経験の浅いミリムを前線に送り込めてしまうほどの優れ物です。なんか胸と股間を覆うなにかが振動して頭が真っ白になるのに何が戦いだよ、みたいな気もしますが。

ゲーム的にはターニャン&サイニャンなんかも面白くて、切れない紐で繋がれた離れることのできない姉妹が二人一組で戦うデザインなんですが、ベースとなったLWのキャラクターはユニコーンっていうね。そういう名前のキャラクターとかじゃなくて一角の馬。後ろ蹴りとか角での一撃を、二人での背面カバー連携とか剣に置き換えたのは天才的な手腕と言っていいのではなかろうか。まあ、その所為で剣を落とさない設定なのは御愛嬌……で収まるゲーム性なのかは知りませんが。

でも、無印と比べちゃうと、心持ち落ち着いたキャラが多いですかね? アンネロッテとかシギィあたりはレイナのバーバリアンかよ、みたいな格好と比べればかなりお上品に見えますよね。いや、ルナルナとアルドラがいるから帳消しか……?

しかし、改めて見ると織田non氏担当の二人が適役過ぎて笑える。すげえよ。

◆クイーンズブレイド グリムワール

ゲームブックシリーズとしては第四段。今度は設定をガラリと変えて、別世界メルフェアランドでのクイーンズブレイドを巡る戦い。美女が戦ってボロボロになる点は一緒ですが、世界や歴史は共有していません。

ゲーム的には各キャラに特殊能力を持たせた一方でストーリー的な相関は弱めに。前作との繋がりもないのもあってかなりバッサリ行った感じですね。正直に言えば僕はこの辺ではクイーンズブレイドという名前をあまり聞かなくなっているので、詳しい所がわかりません。

キャララインナップは以下の通り。

クイーンズブレイド グリムワールの刊行データ
刊行日タイトルアーティスト
2012/11/24 不思議の国の闇使い アリシア深崎暮人
赤頭巾の魔狩人 ザラ
2013/06/30 人魚姫ティーナえぃわ
2013/07/20 黄金の戦斧 ゴールディーF.S
2014/01/31 魔女討ちの菓子職人 グレーテルかんたか
2014/04/29 魔装剣姫 カグヤsaitom
2014/12/27 妖猿の屍術師 セイテン葵渚
2015/06/26 ハーレムの笛吹き デスピナ呉マサヒロ
2016/01/29 鏡の魔術姫 スノーホワイトえぃわ
2016/09/28 冬の魔王 シンデレラサブロー

参考:クイーンズブレイド グリムワール製品情報

不思議の国のアリス、赤ずきんなどなど、全員がお伽話や昔話をモチーフと持っているのがわかるかと思います。メルフェアもメルヘンと掛けてるだろうしな。

ストーリーは本当に取り立てて書くことがなく、シンデレラが今回の黒幕枠らしいということぐらい。いかんせん、メディア展開がかなり減っていて、外部へのリーチが強いTVアニメではなくOVAなので広く世間の話題にならないのも致し方ないことなのかな。ここが前述の懸念が顕在化したのかなと疑うところで、クイーンズブレイドは「ゲームブックが主体でミニ画集的な楽しみかたもできる」代物なんだけど、僕の実感としてゲームとして楽しんでいる人はあまりいませんでした。それこそ、先刻参考としてあげたあのサイトぐらい。

キャラクターの能力は面白くなったと言っても、ゲームとして見られてない場合は訴求力としてあまりに弱いですよね。逆にゲームとして売り出そうとしたときに「エ○本でしょ?」っていう視線が残っててもキツい。なんか、悪い方に転がった時は一気に落ちそうな作戦なんだなと思っちゃいますね。

デザインでいくと、ゴールディー辺りは流石のクイーンズブレイド感がありますが、アリシアやザラなんかはちょっと格好いいぐらい。かぐやとかも十二単とかそういう古典時代のイメージでおしゃれですよね。これ破れたりすんのか。エ○本感は減ってると言えなくもないんじゃないかなあ……

まあ、シンデレラとかとんでもないヤツもいるんですけど。

でもこのあたりに来ると、僕も拾いきれてなかったんですよね。加齢もあって趣味圏が動いたのも含めるとほとんど視界に入らなくなってしまったのは事実で、クイーンズブレイド側の迫力もやっぱり落ちてはいるんじゃないかなぁ。

◆クイーンズブレイド アンリミテッド

初代世界観のリブート企画。らしいですが、僕はもう完全に後逸しました。拾う、拾わないの次元じゃなくて、気づいたら僕の後ろまで突き抜けてた感じ。

 参考:クイーンズブレイド公式サイト unlimited

G123が現在も運営中のリミットブレイクが開始直後あたりの広告でカトレアが出てきたときに「なんか服装変わってない?」と思って調べてみたら、このアンリミテッドでリブートされて服装に限らず設定何かが少しずつ変わっているということを後追いで知りました。アニメ&フィギュアのメディアミックスということですが、このアニメもOVAなのでやはり僕は気づくことができず……クイーンズブレイドという世界、シリーズ自体はそれなりに好きなんですけど、熱心に追いかけているってほどではないので、話題として上がってこないと忘れてしまう部分がどうしてもね。

全体の傾向としては以前の雰囲気を残しつつ、ノワなんかは更に幼い雰囲気に、本来格闘術使いのメナスは相棒のセトラが杖から指輪に変更でより徒手空拳がわかりやすく。アルドラに力を与える悪鬼デルモアに至っては性別まで変わっていて、これは時代でしょうか。もともと、装備なんかは元キャラのいるゲームブックの都合で持ってたりする物とかも再整備されている印象。カトレアはジャベリン使わなくなったみたい。クローデットは髪色から服装の傾向、好みからキャラ付けまで変わってて、これはもう完全に知らない人だった……

ストーリーの主軸、顔役もレイナではなくエリナに。そこに試合で負けて従僕とされたアイリが加わって旅をする。というお話のようです。なんで、アイリ?

その後、前述の通りみんな大好きG123が運営するリミットブレイクが開始。DL不要!

こちらでは同様のリファインが施された、リベリオン、グリムワールのキャラクターなども登場しているとのことで、こちらが主流になっていくのかも知れません。

ただ、ロストワールドというゲームが名を変え、品を変え、日本に乗り込んできたのに、ゲームブックがなくなるとなると、ちょっとだけ寂しいですね。別にブックで遊んでいたわけでもない僕から言えた義理ではないのですが……。

◆ナナシの転生

で、これが久しぶりにクイーンズブレイドの名前を思い出すきっかけになった新作、縦読み形式の漫画でございます。

 リンク:ファイアCROSS ナナシの転生

残業週80時間以上、ブラック企業務めの限界OL、多々野菜々子(ただの ななし)23歳が大好きなアニメ『クイーンズブレイド伝説』とそっくりの世界に転生するという、ここ数年トレンド持ち切りの転生も……残業週80時間?

一週間って24*7=168時間しかないんですが、半分以上を残業に……?

しかも、このクイーンズブレイド伝説って、我々が知っているレイナやリスティが登場するアニメですから、おそらく傾向としては男性向けのエ○アニメでしょう。ただでさえ限られた自由な時間をこれで消費って君、もう少しマシな時間を使い方をしたまえよ。こんな記事を書いている僕が言うべきではないが。

しかし、年の所為もあって、愛娘が美少女フィギュアとポスターまみれの部屋で過労死した事実を知ることになる多々野家のご両親のことを考えてしまいますね。多々野なんて名字で娘に菜々子(ななし)とかつけちゃうセンスはいかがなものかと思いますケド。

ネットでは「クイーンズブレイドの世界に転生はバツゲームだろ」という意見もありましたが、両親から「ただの名無し」と名付けられ、労働基準法はおろか基本的人権の概念すら理解してなさそうな企業に使い潰されて死ぬのと比べたら、まだ大好きなレイナや美闘士たちがいるだけマシという説、あると思います。人生のハードモードが過ぎる。

何が悲しいって、最近流行ってるタイプの異世界転生だとチートクラスの能力で補強されたりするのにそれもなし。更には開幕早々賊に囲まれている上、アニメでは見かけなかった正体不明の謎の美闘士に右腕を切り落とされて死にかけるという……救いはないのですか?

しっかり馴染み深いQB世界なので、服装は過激で下半身とか履いてないも同然。ただし、神授印(スキル)とかいう謎のワードが出てくるので、僕たちが知っているのとも微妙に違う感じではあるみたいですが……まあ二話目には脱がされてるし、そんなに違わない気がますよね。

とはいえ、そこは転生もの。死にかけたところで偶然にも伝説の大怪魔、メローナの封印を解いて変幻自在の右腕を手に入れることに。

とまあ、まだまだ序盤なので、これからどうなっていくか楽しみですね。といった所なのですが、なんか、宣伝文句と内容に食い違いがあるのが気になるんですよね。

例えば、コミックページのストーリでは

ナナシは偶然伝説の魔物を解放した事で、「変幻自在の右腕」という最強スキル持ち美闘士となる。 その力でこの世界で無双するかと思いきや・・・ 「決闘とか興味ないです。わたしは推しキャラたちの戦いを間近で見られれば満足なので」

とあるんですが、実際に序盤を読んでみると、正直、そこまで無茶苦茶強い能力ではないじゃないんですよ。メローナの能力を下敷きにしてることを思えば、今後の発展性は感じられるし、練度とかレベルが上がれば強くなるのは想像に難くないんですけど、現時点では無双できるんだけど興味がないからしないではなく、単純にできない。

それに紹介サイトのメローナ(ちびメローナ)の説明も変で、

ナナシが目覚めた洞窟に封印されていた自称伝説の大怪魔。
解放してもらう代わりにナナシの右腕に自らの力を与えた。
自分勝手でいたずら好きの性格で食いしん坊。 普段はナナシの右腕の中に入っている。
ナナシが見ていたアニメには登場していなかったらしい。

ってなっている。 

 参考:クイーンズブレイド20周年記念特設サイト-コミック紹介

いや、メローナ自体は知ってるんですよ。ただこんなに小さくなかったし、名前以外の記憶がないとか、そういう設定じゃないから違うキャラなのかなと思っているだけ。僕たちもナナシとはほぼ同じ認識で、おそらく、シェイプシフト、溶解液の能力を思えば、いつものメローナなんだろうなと思いつつ、ナナシの転生仕様でストーリーが変わったり設定にアレンジが加わってるんだろうなとは思ってる。アニメにメローナが出てないって言われたほうがびっくりするわ。

というか、明確にアニメ未登場で見たことないとナナシから言われたのは、彼女の右腕を切り落としたスコルピナなんですよ。登場していなかったという説明だけなら彼女のところに書くのが正しいし、ちびメローナを説明したいなら登場していなかったという言い回しはおかしい。

なんか、ムズムズする。ズレが微妙すぎて。

スコルピナって多分、蠍から取ってると思うんですけど、仮面や肌の感じなんかはメナスの関係者で、アマラの蠍と呼ばれたアナリスタに雰囲気近いんですよ。こいつは時間軸的には無印の舞台世界よりもずっと昔、アマラ王国が健在でメナスがまだ生きていたころの人物なので、アニメにはおそらく登場しません。メローナがあの状況なワケですから、沼地の魔女の尖兵に欠が出てると考えた場合はメナス同様利用されてもおかしくはないし、アマラ王国滅亡のきっかけを作った人物なので、独自行動しててもおかしくない。あくまで僕の邪推なので、ナナシみたいに本作オリジナルの全く新しいキャラクターです、というのもありえると思います。個人的には概ねアナリスタだろとは思ってますが、確信するほどの根拠はありませんし。

いずれにせよ、こんな美味しい立ち位置のキャラクターを「ナナシの見ていたアニメには登場していない正体不明の美闘士。他の美闘士たちを辱め、貶めようとする彼女の目的とは一体……」じゃなくて、なんか嘘でもないんだけど要領を得ない説明になってるのは一体何なんだっていう。

まあ、漫画自体はグリムワールのアリシアらしき人物が受付嬢でゲスト参戦してたり、美闘士ランク(昔はこんな設定なかったはずだけど)のシルエットも見知った顔だし、そんなに心配するようなことじゃないだろうとは思うんですけどね。