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2023年12月22日金曜日

何が魔改造だよ馬鹿馬鹿しい【カスタムメックウォーズ】

虚木零児です。

こちらのゲームを遊んでおりました。一応、ストーリーはクリア。あとはクリア埋めでもしながらのんびりパーツを掘っていくことになりそうです。

CUSTOM MECH WARS -カスタムメックウォーズ- ~STEAMページ

略して、カメウ。

まあ、正直、酷かったです。PS5ってちょっとだけ先行プレイが解禁されてて、その人達が人身御供になってたんですけど、大意としては「砂の味がする」って話をずっとしてましたからね。僕もビクビクしてましたよ。

実際に遊んでみると予想よりはマシな味がしてはいました。遊べないことはない。

ただね、バグがなくて遊べりゃあいいってほど単純なもんじゃねえんだ。ゲームはよ。

僕が期待していたもの

この期に及んで隠しても仕方ないので、正直にぶっちゃけますが、僕はガンダムブレイカーからガンダムを抜いて、切開口だけ閉じたようなゲームだったら御の字だろう。位に思ってたんですよ。一般的には期待とは言わないかも知れない。

でも、だって、初報の時点で既に変な匂いしてたじゃないですか。格好いいロボを作ろう! ってよりは、ぜひとも色物を作ってほしそうな空気感というか。大体、正式名称が魔改造って時点でホラ。アーマード・コアみたいな感じにならないのは確実というか。

でも、美脚ロボとかもそうだし、勇者ロボみたいなシルエットだったり、四足獣型のZOIDSチックな奴とかは、ガンダムっていう冠ではもちろん出せないだろうし、こういう悪ふざけみたいなヤツじゃないとやりづらいところあるよね。あえて、そういうところにチャレンジしていくというのであれば、俺は買うから! みたいなことを思って予約しました。

こういうヤツが詐欺に引っかかるのかも知れないです。

カスタムについて

タイトルにもあるカスタムについては流石にそれなりの出来だとは思います。遊び尽くしたワケではないけれども、いくつか機体組んでみた感触としては、適当にパーツを組み上げてもそれっぽくなるのは本当にありがたい。人の形に拘らず、何なら脚だけでも大丈夫だよっていう強気さや、接続ポイントいっぱい用意したらとにかく繋いで色々カスタマイズしてくださいっていう投げっぱなしな割り切りはよくやったなって思う。

こういう各部にハードポイントがあって……みたいなデザインは、大昔にZOIDS.V.S が導入してたシステムではあるんですけど、あっちはあくまで実際に発売されてるキットを再現するようなイメージだったじゃないですか。だから、シャドーフォックスとか背負ものしか変えられない、みたいなね。

その点、カメウは建前上はオリジナルロボットな訳で、実在キット再現なんて面倒な部分は一切なし。データが許す限りの接続ポイントが用意され、連結方法もガン無視のそれこそ、魔改造と言うしかないよなという実装になってはいます。例えば右腕のパーツがあるとして、肩に連結ポイント、前腕と二の腕にもパーツ設置可能。もちろん、武器を持つことだって出来てしまう。掌は何のためにあるのか? もちろん、武器を持って戦うために決まっているじゃないですか。

ウォーズってことで武器に注目しがちではあるんですが、アクセサリの類も充実。排気ダクトや連結用のアームパーツといった飾り、ライトや赤外線カメラみたいな機能を持つもの、電磁シールドなどの防御用の装備もあり。それどころか、前腕から更に腕を生やして多腕ロボを作ったり、頭を増やして威圧感を増してみたり。アラクネと阿修羅をイメージした阿修羅クネロボだってこの通り!

▲強そう(強いとは言ってない)

ちなみに、カスタムといえば出撃時のカタパルト発進シーンも変更できて、32種類のカメラ位置と、タイムラインに沿った切り替えを設定して、自分だけの出撃を演出出来ます。


そんな大層なものではないし、細かいことを言い出すと気になるところばっかりですが、まあ、一応そういう機能もあるよってことで。

ただ、何故かステッカーが板ポリゴンなんですよね。各種パーツはXYZの軸に応じて角度、位置の調整が可能。ステッカーみたいなアクセサリパーツはサイズも変更でき、流石に3D制作ソフトほど細かくは出来ないですが、自由に配置をすることが可能になっています。ですから、機体のボディの表面スレスレのところに配置することで、ぱっと見はペイントされているように見えるでしょう。まあ、意地の悪い言い方をすると、多少ポリゴンが浮いてたところで、ゲーム中は気になりませんしね。

一見うまくいっているように見えるんですが、曲面装甲に貼り付けようとすると、途端に困ったことになります。なぜなら、板ポリゴンはたわみも曲がりもしないから。プラモのシールは柔らかい素材で、パーツに沿って曲がってくれるからキレイに貼り付けられるわけで、曲がらないポリゴンじゃどっちかの端を合わせれば、逆の端は浮くかめり込むかしかありません。これはちなみに段差をまたぐ場合も一緒で、高い方に合わせれば浮いちゃうし、低い方に合わせればめり込んでしまいます。

個人的にはガンダムブレイカーみたいにテクスチャ? として表示してくれたほうが嬉しかったんですが、何がダメだったんですかね。

渋めのドロップと存在しない設計図

カスタマイズした機体は1ミッションに最大5機まで持ち込みが可能。格納庫には最大で100体までストックでき、実際の戦闘には上から5機が持ち込まれる設計です。もちろん持ち込んだ5機は多少の手間はかかるもののミッション中に自由に乗り換えが出来ますし、破壊されてしまった場合は次の機体に乗り換えて戦闘継続が可能です。カメウにはパーツ損壊要素があるので、戦う中で武器が壊れたり、腕が取れたりで戦力がダウンしてしまうことがあるのですが、そういう場合もやはり乗り換え。乗り換えがすべてを解決する。

とまあ、そういうわけで、格納庫には機体をストックしておくことになるのですが、これが何を引き起こすかというと、組みたい機体の数だけ各種パーツが必要ってことになるんですねぇ! 例えば、そんなに凝ったことしてない、脚、胸、頭、右腕、左腕を一通りつけただけの簡単メカでも、5機体用意するとなれば5セットが必要。もちろん、両腕に武器をもたせるとなれば、腕が2本で5機体だから10本の武器がいるし、愛社精神を示す47警備保障のステッカーも機体の数✕貼りたい箇所の数だけ準備することになります。うーん、在庫が切れたから、この機体には貼らなくていいか!

例えば、クモ足パーツを一つしか持っていない場合、阿修羅クネロボを組んでしまうと、もう多脚重装ロボットは作れません。装備重量の許容量が多い、大事な多脚をウケ狙いのゲテモノロボに使うなんて勿体ない……。

という目線で見るとドロップはかなり渋いんですよね。いろんなパーツで組み替えて遊びたい! と考えると新しいパーツはどんどん増えたほうがいいし、組んだ機体にそれを専有されるというのに、それをさらに複数用意となるとパーツもバンバカ入るに越したことはない。はずなんですが、どうもそこまでは。クリア後に何度かミッションをクリアしているはずなのですが、僕のパーツ収集率は20%を切ってました。切ない。

などと記事をこねくり回してたら、12/20にアップデートで出現率がマシになったようです。

かなり厳しいのがアクセサリで、ものによっては左右対称につけたいものも多いんですが、1個しか持ってないなんてザラ。余るぐらいでちょうどいいと思うんですけど、アクセサリのドロップ率を上げた結果、武装の入手頻度が落ちました。みたいになっちゃうとそれはそれで困りものなので、難しいところだとは思います。

パーツの少ない序盤のうちは組んでは崩し、崩しては組みという形にならざるを得ないんですが、それをやるともう一つの問題が発覚します。実はカメウには設計図――機体の構成情報を持っていて、以前に組んだ機体を再現してくれる――的な要素がないんですね。

ゲームの構造上、必要なパーツを別の機体で使ってて組めない。ってことは普通に起こりうるので、設計図さえあれば万事問題なしというワケには行きませんが、それでも、毎回自分でパーツを選び直して、配置し直してってするのは不便でしかたがない。

なるほど、組みたい機体があるならパーツをもう一度集めろというのは道理ではあるが、流石にこのドロップ率でその物言いは無体ですよ。

まあ、ちなみに阿修羅クネロボは多分、もう二度と組めないです。なにせ組み方を忘れちまったからな……(熱血AI声)。

まあ、このご時世、PS5ならSHARE的な機能、STEAMでもスクリーンショットを取ることで元気だったころの機体の姿は残す事もできますから、遺影みたいなものとはいえ、元気だった頃の姿が残るだけマシかも知れませんが。

思い切った操作系統と戦闘感

さて、カスタムが終わったら次は戦い。だってウォーズですからね。戦ってなんぼですよ。

前述の通り、ジャンルとしてはTPSになります。ロボットゲームにはターゲットを決めてカメラが追従するロックシステムがありがちですが、カメウはエイムして敵を狙うタイプ。ただし、ミサイルなどはサイトロックオンが出来るので、エイムが下手な僕みたいなヤツでもある程度は戦えます。

カスタマイズで武器を無軌道に積める以上、ZOIDS.V.S やビルドファイターズみたいにアクティブな武器を選んでトリガーを引くようなシステムはしんどい。さりとて、特定ボタンに武器を結びつけるにも、用意するボタンの数で話が変わってきます。たくさん用意しても武器が少ないと多くのボタンが余ってしまうし、逆にボタンが少ないと使えない武器が出てきてしまうことになる。

そこでカメウ開発が出した答えはこれ。

  • 武器は「主力武器」「ロック&投擲武器」「近接武器」「自動攻撃武器」に分類
  • それぞれ対応する武器ボタンを押すとそれらが一斉攻撃
  • 無駄撃ちしたくない武器は1つだけ、クリティカルスロットに隔離可能

これが47警備保障が誇る最新鋭人工知能、ABCDE(アブシディ、通称アビー)による操作補助・火器管制が実現する次世代の戦い方だ! 既存作品で言えば、マクロスでバルキリーがやっていた、ガンポッドを撃ち込みながらミサイルも叩き込むアレが一番近い。弾幕も機体もサーカスから程遠いので誇大表現だろと言われたら、反論はない

まあ、ごまかしなしに言えば、常に全力全開のフルオープン攻撃をするってことであり、頭がいいか悪いかで言えば、間違いなく頭が悪い方の戦い方。その分、満載した火器から一斉に放たれる弾幕で敵を殲滅する瞬間はそれなりに気持ちいい。ただ、ゲーム的には弾切れを気にする必要はない、ワケでもなく、気づいたらビームが弾切れ起こして出てないとかは珍しくない。

なので無駄撃ちしたくない武装はクリティカルスロットに設定することで、別個のトリガーを持つ武装にすることが可能。数ある武器の中から一つしか設定出来ないのがネックだが、弾数が貴重な武装をここぞという場面で使いたい場合は便利。

また、これは副次的な効果だが、スナイパーライフルみたいな狙撃武器は右スティックを押し込んでカメラズーム中じゃないと発射されないので、擬似的に使い分けが可能。ただし、ズーム中にマシンガンやガトリングガンが発射されなくなる訳ではないので、狙撃武器が節約される訳ではありません。狙撃武器だけば撃てばいいのに……そうだね、不思議だねぇ。

面倒な乗り降りと納得性の低い鹵獲

ミッション中に乗り換えが可能な話を少しだけしましたが、プレイヤーはミッション中にG-メックを降りて生身で戦場を動くことが可能な作りになっております。自ら意図的に降りる以外にも、乗っている機体が破壊されてしまった場合もこの状態になりますが、人間状態では以下のような行動が可能です。

  • 新しい機体の呼び出しと乗り込み
  • タレットやデコイなどの起動
  • 敵機体への攻撃や鹵獲

呼び出し・乗り込みは読んで字のごとく。必要な機体をオートパイロットで戦場まで運んでもらい、それに乗り込むこと。もし、自分が使ってた機体が健在な場合は、オートで戦場から離脱する部分が追加されます。原理的には戦場に存在できる自分の機体は一体だけ。

タレットやデコイなどはステージに配置されるギミック。タレットは射撃で援護してくれて、デコイは敵の攻撃を引き付けてくれます。偶に砲台がついたデコイがあるので、兼用のものもあるみたい。これはG-メック搭乗状態では起動できませんので、一度降りる必要がある要素になります。

実際、AIが暴走して暴れ回っているので、G-メックに起動機能があったら悲惨なことになっていた可能性があるのでそれはよかったね。という話はあるんですが、プレイヤー的には面倒です。細かいこと言い出すと住民が避難済み、G-メック廃棄に利用するとはいえ、町中にデコイがデンとあるのも変な話だし、一方で、暴走AIによる襲撃を待ち構える軍事施設にあるタレットを現場のパイロットが起動させるのも妙。そろそろ来るんだから誰か起動させておけよ!

まあ、でもここまでは前座みたいなものですよ。最大の特徴、それは鹵獲。歩兵の携行武装用に作られた特殊電磁パルス弾でAIを無力化、機体そのものを鹵獲してしまうという夢のあるシステム。特殊弾頭は貴重なもので、ステージ内での使用数に制限こそあるも上、一部の機体には通用しない、確率(だと思う)で失敗したりはするものの、成功させれば敵を機能停止してこちらの戦力にすることが出来るのです!

そんな風に考えていた時期が私にもありました。

まず、生身での戦闘が必須で面倒な乗り降りを強要。鹵獲武器自体、弾数制限がある上に、射程は決して長くない。生身状態は特殊フィールドで守られているので、攻撃されると即死亡ってワケじゃないとはいえ、それなりに危険な行為なんですが、それらを乗り越えて鹵獲した報酬はなんとパーツ一個っていう。

▲【CAPTURE】じゃないんだよ……

技術部の検閲? こんなの許されるのかよ! 搾取じゃないか!

実際のところ、これ、敵の機体も同じG-メックで、プレイヤーと同じようなパーツから作られているんだから、機体パーツがまるまる貰えるってなれば、足りなくて組めないみたいな話はなくなったでしょう。あまり動かない狙撃型の鹵獲がし易い関係上、パーツが偏る可能性はあるんですけど、足りなくてロクに組めないと、同じような機体しか組めないだったら後者のほうがまだマシな気がするんですけどねぇ。

アクションは犠牲になった

ちなみにシューティングに全振りした結果、近接武器はだいぶ厳しい感じになりました。前述の通り、ターゲットロックがないので襲いかかるアクションはなし。具体的にはサーベルは振り回して眼の前を斬るだけ、ドリルもその場で回るだけ。当てるためには押し付けに行くような動きが必要で、出来なければ虚空を切って、無を貫く姿を見ることになります。見た目はかなりシュール。

ですので、カッコいいチャンバラシーン! みたいなことは基本発生しなくて、古い玩具みたいにメチャクチャに武器を振り回しながら暴れまわる自機を眺めることになります。これがロボの姿か? これが……

それでもコストなしでビルを破壊できるドリルなんかはマシなほうで、遮蔽物の多い市街地マップではこれで整地すると車線が通りやすくなって良いと思います。市民はシェルターに避難しているので巻き添えの心配はなし。避難を終えて街に戻ってきた時に荒れ放題の街を見た彼らがどう思うかは気になるところですが、我々がAIに負けたら帰るも何もない訳ですから、必要経費ですよ。必要経費。

というのも、このゲームのブーストダッシュって基本的に特定方向を向きながら前後左右に滑るタイプなんですよね。それこそエルガイムみたいな。これに先程言ったフルオープン射撃、あるいは敵側の機動力の低さが合わさると、その時点で射撃が優勢になるって話です。更に言えば足によってはジャンプのブーストの消費量がかるすぎて、ほぼ無限滞空が可能なものもあるので間合いを詰めて近接挑むのはほぼ趣味の領域です。弾が遅くて回避出来ている部分もあるので、距離が詰まるとまず避けられないし、スピードが乗った状態で衝突するとこちらにもダメージが入ってしまいますからね。

一応、戦車や電車みたいな車レッグは、スライドができなくて車両の向きで前後に動く挙動になるんですが、逆に言えばそれだけなので、こちらも同じく趣味の領域になってしまいますよね。ゲーム内説明だと四足獣型の脚も制御が難しいって書いてたんで、こっち組なんだろうなって思ってましたが、実際に使ってみたら棒立ちでスライドしました。なんやねん。

顧客が求めているのは大地を疾走する鉄の獣だってことはZOIDS.v.s 3でグラビティウルフ(オオカミとバイクが融合した大胆なヤツ)が登場した20年近く前に証明されていたと思うんスけどね。

微妙なキャラとストーリー

正直、この手のゲームでストーリーが面白い可能性なんてほとんどないじゃないですか。ゲームのコンセプトが先行して、物語なんて香り付け程度のもの、みたいな。そういう意味では期待通りのモノじゃないですか。絶賛するようなものではもちろんないですが、なんてものを出したんだって騒ぐほどでもない。まあ、こんなもんでしょ。だいたい、周回する頃にはお話なんてどうでもいいことじゃないですか。我々が求めているのは闘争。違いますか?

ただ、僕はこれに1万円以上出したんだって思うと悲しくなるってだけで。

個人的には世界観というか土台はそう悪くないと思います。巨大なアスガルズ彗星の接近によって地表への被害が懸念される時代、人々は都市を離れてシェルターへ逃れ、残された都市機能の保守整備は人工知能搭載のG-メックが果たすようになっていた。

元々、多種多様な用途に対応するべく開発されたG-メック故に機体のバリエーションにも言い訳が利くし、現場運用の観点から接続規格などが統一され、混成も可能になっているのも分からなくはない。元々は物流拠点の荷役を兼ねていたなんて夢があるじゃないですか。

そんなわけで、無人となった都市の警備もG-メックの仕事。主人公が所属することになる47警備保障も警備G-メックを多数配備して無人の都市を守らせており、時折、パイロットを派遣しては保守点検のために都市を巡回しながら機能を維持してきました。

しかし、彗星の接近によって様々な地震、火山の噴火などが起き、ついには都市警備担当のG-メックのAIが暴走。突如としてこちらに牙を向いてくるようになってしまい、そこから国防軍も巻き込んだ騒動に発展していき……というのがゲームで展開されるストーリー。

もちろん、主人公は中小企業のアルバイトから軍でも有数のエースになり、最後には世界の命運をかけた戦いに挑むことになります。王道ですね。気持ちよくなれないこともないのではないでしょうか。僕はならなかった。

キャラクターに関しては一番身近な47警備保障の面々はいい感じ。口調が軽薄で腕はイマイチだけど、性根は真面目で気のいい先輩のバイトリーダー。明るく朗らかで気も利くオペレーターちゃんに、激変する状況に翻弄され、感情を押し殺しながらも会社を発展させようと奮闘する女社長。フランクな口調と確かな腕でパイロットを支援してくれる技術部のおやっさんなんかは好印象。途中、宇宙気象庁から監察官が出向してくるのですが、この人は現場にも理解を示してくれるのがありがたい。人には恵まれてるんだよな、この会社。技術部の中抜きは酷いけど。

ただ、いかんせんストーリーのボリュームが酷くて、ストーリーもグダグダ。彗星の影響でAIが汚染されて暴走しているらしい→国防軍が破砕作戦を実行するぞ! あたりまでは気持ちよく進めてたんですが、特務大佐が離反とか話が動き出したタイミングで(え、ストーリー進捗の%がエラい進んでるんだが?)ってなったあとは、あれよあれよという間に盛り上がりに欠けたままエンディングまで突入しました。ヤマもオチもないよ。

国防軍が原則酷くて、裏切りの理由と理念がアレすぎて残念な人類の敵役の特務大佐と、そいつと入れ替わる形で出てきた口だけは威勢のいい総司令官。どちらもヘイト集めて死ぬ役しか果たしていません。この体たらくで今まで守れておったと言うつもりかね。

特務大佐はまあいいですよ。自分が発案・指揮した彗星軌道変更作戦で大きな被害を出してしまい、それを気に病んでしまったのは同情できなくはない。まあ、彗星の核になっていた金属の破片が謎のG-メック、エインヘリヤルになるなんて事前に予見出来たとは思えないし、失敗として気に病むようなモノではないと思いますけども。そこから暴走したAIを進化と解釈して夢中になるのはよくわからないけれども、そこまではまだいいでしょう。

どうしてそこから「これでエインヘリヤルを追い出してやろう!」じゃなくて「愚かな人類はAIに支配されるべきだ」に至ったのか。これがわからない。仮に彗星破砕がミスだったことにしても、どうしてそのミスで生じた未曾有の危機から目を背けるのか。そればかりか混乱に乗じて世界を作り替えようってんだから最悪だよ。47警備保障で宗教の勧誘はお断りだぜ。誰か彼の心に寄り添っていたならば、あるいはって気もしますが。

ちなみにこれに輪をかけて酷いのが総司令官で、AIなんて使えない、人真似するだけの無能なシステムだ! って吠えるのは結構なんですが、その人間で構成された国防軍が暴走AIに苦戦の連続なのは認めていただかないと困りますよ。よく「何をやってるんだ!」って苛立ってますけど、現場の彼らは必死でやってるんですよ。やってもその程度ってだけで。お前に国防軍の何がわかるねん。

これらの集大成が彗星の完全破壊を目指す星屑作戦なワケですが、これはもう、一種のギャグといっても差し支えないと思います。

彗星破壊における最大の脅威は破片から生じる謎のG-メック、エインヘリヤル。彗星のコアを破壊したとて、国防軍でも対処が難しいコイツラがばらまかれてしまっては意味がない。そこで登場するのが対空防衛システム、ゴルゴオン。三本のタワーが連携することで一帯の制空権を支配出来るシロモノで飛散した破片を迎撃することでエインヘリヤルの出現を抑止してしまおうという魂胆です。

総司令官指揮の元、軍に接収された47警備保障改め、第47独立機甲分隊はゴルゴオン三姉妹の一柱、タワーAの起動とその間の護衛を行います。「ゴルゴオンとか気取った名前までつけてタワーAってなんだよ」と僕の毒づきは無視され、暴走AIと特務大佐ご自慢の最新鋭試作機部隊アンサムズがタワーAに襲来したことで否応なしに戦闘開始。無敵のパイロット、ガンナー1の活躍もあってタワーAの起動には成功するのですが、現場では死傷者多数でタワーBの作業には支障が出てしまう事態に。そこでタワーB以降の起動にはユニット47技術部も駆り出されることになり……本当にそういうところですよね。民間企業上がりの臨時徴用された部隊に頼らざるを得ないの恥ずかしくないのかな。

ちなみにその後、タワーB、タワーCでも同様の作業をすることになるのですが、これも正直不思議なんですよね。

前述の通り、ゴルゴオンは三本の柱が連携して稼働する対空防衛システムですから、どれか一本でも欠けたらまずい。無能な国防軍が一本ずつしか起動できないのは仕方がないにしても、特務大佐も特務大佐でなんで起動作業を開始したら「よーし、妨害部隊進め!」ってやるんですかね。ユニット47をAに釘付けにしてる間に、B、Cに同時攻撃仕掛けたら確実に妨害できたのでは? もしかしたら、特務大佐は在籍中にゴルゴオンのことを何も知らなかったのかも知れませんが、作業察知して妨害出来るんなら、事前に調査して見当つけるぐらいあるだろ。マジメにやれ。

何はともあれ、ゴルゴオンの起動に成功したことで星屑作戦は決行。アスガルズ彗星に叩き込まれるミサイルによって人類の脅威アスガルズコアは塵と消えました。多分。

作戦成功かと思ったその瞬間、総司令部から悲鳴があがります。なんと複数のエインヘリヤルが本部を襲撃しているというのです。ゴルゴオンによってコアの破片は迎撃され、地表に届く前に破壊されているはず。それなのに一体どうして?

ここで高笑いする特務大佐によれば、前回の流星作戦で落着したエインヘリヤルの一部は地下に潜伏しており、今回襲撃してきたのはそいつら。アンサムズネットワークを通じて放棄した奴らはゴルゴオンの対空防衛網をかいくぐって、本部に奇襲をかけたのだ。

つまり、特務大佐の不手際が今回の事態を招いたってワケ。嬉しそうにしやがって。

それはさておき、国防軍も迎撃に出ますが、エインヘリヤル相手には機能せず瓦解。次々と犠牲者の悲痛な通信が届く中、ついにはキャンキャン吠えるのが仕事だった総司令官まで命を落としてしまいます。これにて国防軍本部は完全に瓦解します。

そもそも、このエインヘリヤルはカメウにおける、唯一と言ってもいいボス敵で、弱いとは言えないものの、超苦戦する強敵って訳は決して無い。そもそもプレイヤーはここまでに何回か戦ってきて倒してきているので実力のほどは知っている。弱くはないが倒せないことはないだろう……と言いたいところですが、倒せないんですよね、国防軍は。

ストーリー中、エインヘリヤルとは何度か戦うという話をしましたが、その中で一つの事実が暴露されます。国防軍で唯一の撃墜スコアを上げているのがユニット47っていう。繰り返しになるんですけど、第47独立機甲分隊とか言われてますけど、元々は47警備保障っていう民間企業ですよ。規模としては中小企業。ガンナー1とか言ったところで、元々は時給で働くアルバイトなのに、仮にも訓練してきた正規の軍人が束になっても戦績で勝てないって大変なことだぞ。そんなザマで一体何が守れるって言うんだ!!

というわけで、元々クソの役にも立っていなかった国防軍が瓦解したところで、プレイヤー的には辛くも悲しくもないワケですが、それでも再編までの間は兵站も滞り、後ろ盾もなく孤立していしまうことを思えば、お話的にはピンチなのは間違いない。リアルな話をするとおっさんの集中力がもたんときも来ている。でも、これ最終話っぽいよね……

さて、古巣国防軍を壊滅させ、野望の実現が一歩近づいたことではしゃぎだす特務大佐。一番優秀な戦闘データを提供してくれるとまで絶賛したガンナー1はまだ健在だけど大丈夫? 別に俺も絶望してはないし、必要とあらば刺し違えるつもりだけど……

しかし、その前に突如アンサムズに緊張が走る。画面上は特にそうは見えないが挙動がおかしくなり、謎の命令が実行されている様子。慌てる特務大佐、戸惑う僕たち。そこへ割り込んできた謎の男。

「あれ? 繋がったのか?」

どうしてここに先の戦いで重傷を負い、戦線を離脱したバイトリーダーくんが?! 戸惑う我々に負傷中は日までアビーを話し相手にしていたという先輩から衝撃の告白が。

「いやー、アビーが自分をアンサムズに繋いでくれって言うもんだから、鹵獲した機体に繋げてやったんですよ」

……は?

業務で使ってる機械を会話相手に私的利用してたのも大概なのだが、お前、その上で得体の知れない機械に接続した、つったか? ……マジ? 

アブシディがどういう仕組みかは知らんが、お前のアビーがアンセムから変なウイルス貰って、俺のアビーにまで影響出たらどうするつもりだったんだ? こちとら敵陣の真っ只中だぞ。AIに感染するウイルスのようなものと考えられるって、社長から説明されたよな。話聞いてなかったのか?

冗談はさておき、これ自体は社長とアビーとで発案したアンサムズへの電撃電脳作戦。見事、ネットワークに介入したアブシディによって、アンサムズは自爆命令を差し込まれてしまうことに。もちろん、戦力に自爆されては困る特務大佐はこれに対処せざるを得ず、結果としてアンサムズはリソースを食われて機体制御はおろそかに、戦力も当然低下します。僕が見る限り敵の動きが悪くなった様子はないが……?

実情はどうあれ、民間企業所有のAIにハッキングされ、大慌てするような微妙システムに人類の未来を委ねようとしていたことになった哀れな特務大佐との最終決戦が開始。流石に登場するエインヘリヤル以外の第二のボス(ラスボス)を撃破する為、スロットルを開けろ! ガンナー1! サイキックラバーが歌うテーマソングをバックに最終決戦に突入だ! うおおぉぉぉっ!

……って、なるワケねーだろ。

実際のプレイ中は半笑いで「なんか流れてんだけどw」って言いながら、ふわふわしてミサイル撃ち込んでました。

正直、いつだかのAcid Black Cherry がテーマソングを歌ったゲームもそうなんだけど、アーティストが格好いい楽曲を提供してくれてるのに、この体たらくでゲームを出した開発は申し訳ないという気持ちは持っていてほしい。言わなくてもいいから。

俺は何を買わされたのか

こうして通して見てみると、なんというか中途半端なんですよね。

例えば、登場人物は固有の人名を持たず、立場やコールサインで呼び合う。民間人から軍属になってエース・英雄として成り上がる。世界の危機を救う。こうして箇条書きにすると、同社の大人気シリーズである地球防衛軍のフォーマットをなぞっていると言えなくもないんですが、比較しちゃうと単純に盛り上がりに欠ける。

そもそも、超先進的技術と驚異的な物量で侵略してくる敵という絶望的な相手に、決死の反抗作戦を繰り広げる地球防衛軍と、過激思想に染まった革新派の特務大佐が、守旧派の国防軍に反旗を翻した話では規模感がぜんぜん違う。所詮は軍内部のゴタゴタに過ぎませんし、多少は特務大佐が手を加えたとはいえ試作機自体も軍の所有物なワケで、そこまで絶望的な性能差にはなり得ないだろっていう。

そのうえで、国防軍が追い詰められる描写が入っちゃうんで、本当に国防軍がどうしようもない無能集団っていうことになってしまう。しかもゲームの難易度は割りと控えめになっている訳で、気持ちよく戦っているプレイヤーの中でのギャップが酷い。主人公>>>>アンサムズ>>(超えられない壁)>>国防軍の状態で、国防軍総司令がキャンキャン吠えても、うるせえゴミがとしか。

通信会話で人は死んでるし、戦争やってる演出はある。ただそれが、「俺達の追跡、気付かれてるぜ……」って会話したのに、それほど間を開けずに「バレてねえはずだ……!」って言いながら突っ込んで死んだりするので悲しいというより、滑稽なんですよ。滑稽。故郷を焼かれたのは恨みを並べて突っ込んだのに、嫌だぁ! じゃないんだよ。無力な奴め。

プレイ面でもそれはあって、NPCのG-メックあろうことか僕に弾撃ちこむんですよね。俺は仲間なんだが? 倍は殲滅して貰わんと帳尻が合わんが?

まあ、言うて、射線上に割り込んだこっちにも責任はある。それはそう。ただ別にこれに限った話じゃなくて、スラスターダッシュで攻撃回避してるとノロノロ歩いているバイトリーダーに衝突してダメージ。空中戦を終えて着地しようとしたら下を歩いていたバイトリーダーに接触してダメージ。もちろん、僕が射撃戦していようがお返しとばかりに射線上に割り込んで来るし、何ならLサイズのG-メックを気持ちよく発進させたら進路上に割り込んでくる始末。馬鹿野郎、踏み潰されてえのか!?(踏み潰しながら)

▲注:誰も言ってない

47警備保障では平素、そういった安全教育をなされているのでしょうか? Lサイズの大型G-メックの周辺はスペースを開けるようにといった指導はなされていらっしゃらない?

引き合いに出すのも申し訳ないんですけど、地球防衛軍だとNPCの弾ってPCに当たらない仕様になってるんですよ。なるほど画としては不自然なんだけど、援軍の射線に立たないようにってプレイヤーの動きが窮屈になったり、プレイヤーへの誤射をしないようにとNPCの射撃が緩くなったりしないように作られている。その分、それなりには頼れる仲間として機能してるんですよね。まあ、誤射と踏み潰しはできちゃった気もするけど。

だから、カメウのNPCは頼りになる・ならないというより近くにいてほしくない気持ちが強いんですよね。端的に言うと邪魔。バイトリーダー君は操縦が下手なことが強調されるので仕方ないのかな? と思いますが、別に彼の機体だけ動きが悪い訳では無いのがウケる。いや、ウケない。彼だけ悪くてもウケない。

ただまあ、タレットやデコイへ接触したときのダメージがアプデで入らなくなった例もありますし、このあたりは将来改善されるかも知れませんね。

余談ですが、タレットやデコイみたいな静止物にぶつかった時は「下手打った」って気持ちのほうが強かったんですが、先にここなんだ。もちろん、僕もダメージ入らないほうが嬉しいのでアップデート自体は歓迎ですけども。

ちなみに、このゲーム、この手の話を上げだしたらきりがないです。

先程引き合いに出した荷役担当メックの脚はジャンプの性能がすごくて空中戦を実現可能なんですけど、上昇高度に制限がありまして高く飛びすぎるということはありません。それはいいとして、この高度制限、何故か離陸した地面の高さに依存しているっていう。何が起きるかといえば、斜面を登るときに一回着地する必要があるんですね。

▲山裾で飛ぶと赤のラインまでしか登れない

上を取るっていうのはこのゲーム、まあまあ強い行動なので難易度調整で高さを抑えるっていうのは考えられなくもないんですけど、それにしたって、今自分がいる地面から高度を計測しないと意味がなく、青の位置から飛んで山裾に降りるとかなり高い位置取れちゃうんですよね。ブーストの回復に着地が不要なの、上空でフワフワしてれば降りなくて良いのも合わせると、あんまり制限として機能しているとはとてもとても。

これ以外にも領域外警告と被弾警告が似たようなノイズ表現だから、とっさに分かりづらい。ステージによっては狭い範囲で戦わされるから、頻繁にノイズが走るので画面がびっくりするぐらい見にくくなってしまう。プレイ中は「GUNDAM VERSUSのステージのが広かっただろ」ってキレてたけど、多分これは気の所為だと思う。

あとは序盤から「あの敵はビーム(実弾)に耐性を持つぞ」って言われるけど、武器が揃っていないからどうしようもないし、あの敵って具体的にどれだよ。とか、スペシャルアイテムで一時的なパワーアップが出来るけど、アセンブルによっては弾無限やブースト無限は効果が薄くてありがたみがなあ。とか、ケチの付け所が多い。

スペシャルアイテムはランダム入手なのもネックで、いらないアイテム引いたら吐かないと次のスペシャルに変えられないのも地味にストレス。事前に覚醒選択してアイテムでゲージ貯まるのほうが僕は好みだけど、でもそれだと火力アップと無敵に偏っちゃいそうで。仕方ないのかな。

それからカスタムは今の仕様なら、マウスカーソルみたいなのでポインティングしたい。接続ポイントを十字キーで移動するんですけど、移動先が固定じゃなくてカメラに依存しているっぽいのがストレス。胸のハードポイントから、脚に行ったつもりが腕に行ったり、反対側の脇に行ったりとかで、なかなか好きなポイントを選択できない。他の人が言うみたいに一覧があるだけでもだいぶ違う気がする。

あとはもう、次回作からでもいいんで、特定のパーツを装備しているときだけ使える武器とか作ってもいいんじゃないかな。特定のボディパーツをつけると、内蔵ガトリング砲を武器として使えるようになるとか、特定の腕のパーツを使うと、手持ち武器としてミサイルパンチをもたせることが出来るとか。それなら、お◯ぱいミサイルも別パーツにする必要がなくなりますよ! いやそれだと、ロボ娘の片◯もぐ遊びができないので不満か?

パーツとか武器のバリエーションも増えれば楽しくなると思う。露骨にゴジラみたいなやつでビーム吐いて火の海にしたり、AIロボの群れを核兵器で一網打尽にしたりしたかった。星屑だけに。アーマードコアもアプデでガトリング四丁ぐらいできらあ! してきた以上、我々もどんどん過激に行くしかありませんよ。光子魚雷とか!

いやいいところもあるんですよ。相手の実弾攻撃はこちらの射撃で迎撃できたり。PS2の機動戦士ガンダム 一年戦争のバルカンとかスパロボの撃ち落としですよね。バイトリーダーくんだって、後輩のガンナー1がG-メックを降りた時は無防備な機体を守るために駆けつけてくれるんですよ。ほんのつい先刻までチンタラしてた癖に慌てて駆け寄ってくるの、普通に◯意沸くけどな。

個人的には土台とか根幹に当たるコンセプトは好きだし、NEWなんとかみたいに植え替えをお願いしたいレベルではないので、スタッフには引き続き頑張ってほしい所なんですが、ちょっと現状は何かしらの起爆剤がないと厳しい部分はあると思うので、ぜひとも他社のIPとコラボをするなどして遊びの幅を広げる方向に進んでいってくれたらな。と、そういう風に思っております。

……公式でドリルち◯ぽロボ作るようなゲームとコラボしたいIPがあるかは知りませんが。