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2023年12月3日日曜日

年末だし"頭"を使ったつもりにならないか?

虚木零児です。

Steam でオータムセールやなんやかんやがあり、色々なゲームを買いました。本当に色々あるんですが、今回はその中から以下の2つのお話をしたいと思います。

和階堂真の事件簿 TRILOGY DELUXE - Steam ページ

8番出口 - Steam ページ

なぜこの2つかといえば、僕の中でこの2つは適度に頭を使えるという共通点があるから。秋は終わってしまいましたが、これから夜も長くなっていくのに、脳をいい感じに回転させて心と身体を温めてみてはいかがでしょうか。

まさかそんな、今回のタイミングで購入したゲームのうち、セ◯クスが関連してなくて、このブログでネタに出来そうなのがこの2つしかない。なんてこと、あると思ってるんですか。やだなあ、もう。

キッショ、なんで分かるんだよ

和階堂真の事件簿 TRILOGY DELUX

こちらはもともとiPhone、Android向けに無料配信されていたタッチ型のアドベンチャーゲーム三部作をまとめつつ、新規エピソードを追加したもの。発売自体は結構前なのですが、なんだかんだで買わずにいました。昔、パソコンが壊れてゲームが遊べなくなってしまったときに、スマホでのんびり遊んでいた事があり、それなりに気に入っていたので一度は記事を書こうかと思ったこともあります。書き上がる前に気力を失い、結局、世には出ませんでした……。

ゲームとしては和階堂が各地を歩き回って人に話を聞き、情報を揃えて事件の謎を解明していくというもの。モノトーンドットのグラフィックに2Dサイドビューというノスタルジックな雰囲気。それこそ初代のゲームボーイのような色のない世界に見えるのですが、鮮血だけはしっかり赤いです。グラフィックはこだわりこそありますが、細かなグラフィックに目を凝らしてヒントを探すようなデザインではありません。また、次代設定もやや古めなので捜査自体も色々おおらかなもの。

それもあって、推理小説をゲーム化したような雰囲気ながら、難易度は低めになっています。ごく短時間クリアを目指す、とかならまた話は変わりますが、基本的にゲームから提示される導線にそって話を聞いて情報を集めていけばクリア可能。謳い文句の通り1時間でクリアは伊達じゃない。流石に、推理部分は多少頭を使う必要はありますが、そこは最悪総当りで大丈夫です。仮に間違えたとしても「そうだっただろうか……」で戻されて終わるだけですから。

……いや、無料アプリ版広告を見ることになりますが、そこはまあ、頭の回らない我々が悪いということで。ただ、難易度も考えるとそこまで広告見た人いないのではないかな(広告に繋がらないのはゲームとしていいんか?)。ちなみに、Steam版で購入された皆さんには無用の心配となっております。

このテのゲームには詳しくないので「革新的!」とか「他に類を見ない!」みたいな話はできませんが、初心者にも遊びやすいように出来ているのは感じました。原則、冒頭のストーリー調査パートで情報を集める情報が集まったら推理パートで整理する次の章へ進むというサイクルですが、パートを貫通して重要な話は「メモ」という形でアイテムのように保存されます。これはフラグの役割も兼ねており、例えば凶器が判明したら、その凶器をフックにして別の人から話を聞き出すことが可能になるんですね。昔、CardWirthでも似たような試みはありました(懐古厨)。

従来のゲームであれば内部フラグで管理されていて、このフラグがONの状態で話しかけると新しい証言が得られる様になる。んですが、このゲームだとプレイヤーが「セット」しないと、新しい聴取選択肢が出てきません。しっかり、この情報についての話を聞こう! とプレイヤー側に意識させる作りになっているんですね。

今までだと(あれ、このナイフって確かAさんがなくしたって話だったよな。じゃあ、ナイフが凶器ってことはAさんから新しい話聞けるんじゃね?)ってプレイヤーが頭の中で結びつけてないとダメだったのですが、和階堂真シリーズに於いては(ナイフの情報をセットして、Aさんに話しかけたことでこの情報が得られた!)って形になるので、慣れていない人でも自然と刻まれることになるんですよ。改めて見ると、よく出来てますよ、これ。

まあ、その分、手間がかかる部分はあります。おそらく、話しかけるタイミングでセットされてるメモを参照して、それに応じて選択肢を変えている関係上、同じ人に複数の話を聞きたい場合でも一回一回、会話をやめてメモを付け替えなければなりません。いちいち、話しかける必要があるのは少し面倒。

ただ、セットする際に「新しい情報を得られるか?」が明示されているのも含め、始めての人でも遊びやすくを追求した結果だと思うんですよね。意図的に低難易度化、あるいは平易化をさせたかったんじゃないかな。ゲームだとこのメモで情報を引き出せる人がまだいるよ、っていう表示をしてくれし、集めたメモを見ていくことで漏れがないかも確認出来る。話しかける必要がある/なしで区別されるので、重複して話を聞いてしまうことも、まず考えにくい。操作ミス以外は。

これ以外にも、エリア画面で「これ以上手がかりは得られないぞ」って趣旨のアナウンスが出ますし、逆に情報の取得漏れがあるエリアでもメッセージが出ます。また、調査フェーズの終了に必要な情報数も表示されており、集めきる前には次のフェーズに進めないので、詰まるということはないと思います。

調査が終わったら推理に進むのですが、推理パートでは一つ一つ壁からの問いかけに対して手に入れた情報を合わせていく形で読み解いて行きます。今回の事件で凶器と目されているものはなんだろう?→凶器は〇〇と言った対応するメモを選び、現時点で判明していることを親切丁寧に紐解いてくれる。しかも、いらない情報も和階堂は整理してくれるので、数が多くなりすぎて混乱するということはない。はず。流石に事件が複雑化していくと、情報が減らしきれなく部分はあるんですが、それはそれ。

ちなみに、TRILOGY DELUXはアプリで配信されたパート1~3、つまり「処刑人の楔」、「隠し神の森」、「影法師の足」という三部作に加えて、新規エピソードの「指切り館の殺人」が加わったデラックスなエディションとなっております。TRILOGYなのにエピソード4つあるのは何故かといえば、和階堂真の事件簿 TRILOGYに追加エピソードがついたDELUX版であって、TRILOGY DELUXではない。これで言い訳つくだろ。

なので、すでにアプリ版で遊んでいる方は自由に遊んでいただいて大丈夫。ただ、初めての方は「処刑人の楔」から始めるのが個人的におすすめです。シリーズ中でゲームが大きく進化したりはないのですが、それでも小さなブラッシュアップはあるので、リリース順を逆行するとアラに見えてしまうと思います。

実際、続けて遊ぶと、第一作の頃は時系列とエリアがほぼ一致してて、一本道になっていたんだな。とか気づく部分がありましたし。隠し神の森では時間が進むとエリアに居る人もかわり、聞ける話が変わる要素があるんですが、そこがないと行ったり来たりが起きず、ゲームの印象がだいぶ違ってきます。

言い訳すると、スマホでやったときは1と2の間に結構な期間が空いてたので、1の記憶が薄れてて気づかなかったんですよ。そんなに繰り返し遊ぶようなゲームでもないので、骨組み、大筋のプレイフィールは覚えてて懐かしいなあとは思っても、意外と細かい部分は覚えていなかったですね。

他にはヒント機能の有無とか、登場人物の顔と名前の一覧があったりなかったり。まあ、これは調整もあるし、ヒントだってなくてもなんとかなる難易度だと思いますけども。

ストーリー部分、謎解きのトリック、ギミックなんかは語りたい部分もあるのですが、推理小説をゲームにしたようなモノなので、あまり余計なことを言ってプレイ感覚を損ねるのもアレなので、ここでは詳説しません。興味のある方はご自身で確かみてくれ。

強いて言えば、推理小説同様、序盤に差し込まれた情報は重要ですよ。とだけ。

8番出口

こっちは割りと最近出たゲームですね。Vtuberの間でも流行ってるみたい。

ゲームとしては日本の何処かにありそうな地下道で8番出口を目指して歩いていく。それだけの単純なもの。複雑な操作やシビアな制御は必要なし。ただし、地下通路は異空間と化してしまっており、たった一つのシンプルなルール「異変があれば戻る。なければ進む」を守る必要があります。異変を見落として進んでしまった場合は最初からやり直し。異変の種類によっては一撃アウトの可能性も。

進行具合は「n番出口」という掲示看板が0~8までカウントアップしていくことでプレイヤーには提示されます。外につながる階段を見つけるまでは、同じような形状の地下通路を何度も進んでいくわけですが、ポスター、通行人、点字ブロック、従業員専用扉、あるいは天井に掲示された案内板などなどにおかしな部分がないか? を確認しながら進みます。一度気になると止まらなくなるそれらを見て、自分の記憶と照らし合わせたりしながらおかしな部分がないかを確認します。

「よし、異常なし!」で進んだら……0番出口になってる。そういうゲームです。

異変自体も変な隙間から誰かが除いているとか、通行人の挙動が明らかにおかしい、掲示ポスターが異常に増殖しているといった見るからに怪しい状況から、密かすぎてパッと見はわからないものまで幅広く揃っています。ここは実際に遊んで確かみてほしいですが、こちらの制作者のPOSTを見てもらえると雰囲気がわかるんじゃないかなと思います。

最後はMen In Black が立ちはだかるのでわかりやすいですが、実は全部の通路に何かしらの異変があるんですよ。駆け抜ける中で左側にチラ見えする「n番出口」の掲示が一度もカウントアップしなかったってことは。見落としてるんですね。まあ、この速度で走られるとわかるわけねえだろって話はあるんですが。

異変自体は無限生成されるワケではないので、傾向が見えてくるとチェック場所はわかるようになりますし、先の例からわかる通り、あからさまなのは本当にあからさまで見落としは考えにくい。

問題は微妙な異変で記憶だよりになる部分です。あれ、こんなシミなかったよな……? このマークってこんなデザインだったか……? この位置に扉あったっけ……? などと疑心暗鬼になって自分が信じられなくなっていくんですよ。え、大丈夫だよな、大丈夫なはずだ……と思って進んだ先でカウントが0になっていた、あの悔しさ。

意地の悪いことを言うと「進む」OR「戻る」のニブイチかつ、見落とす方が難しい異変もあることを考えると、そんなにクソほど時間が必要になることはまずないとは思いますし、僕が80分で全異変発見まで至ったので用心深い皆様ならもっと早くクリアも夢ではない。

じっくり時間をかけて知恵を絞りたいって人には不向きですけど、パパっと理性と直感のバランス感覚を楽しみたい人にはこちらがおすすめ。