虚木零児です。
前回、エクバはオワコン(意訳)みたいな話をしましたが、じゃあ、なんでお前はそのオワコンにしがみつき、発表に一喜一憂してんだ。って話あると思います。このブログはなんなんだよ。ええ、おい。
その指摘は間違いない。あなたは正しい。
答えは単純で「好き」なんですよ。確かにセールスの面では鉄拳やストリートファイターのが上かもしれません。それでも俺はEXVSが好きなんです。エクバも商売なんで、セールスを無視するってわけにはいかないんですけど、ただ純粋に遊ぶだけなら誰にどれだけ売れて、どれだけ利益を上げているかなんてどうでもいいことですよね。遊んでいて楽しいか、ゲームしていて面白いか。俺は楽しいと思って遊んでるし、面白いと思ってプレイしている。
じゃあ、エクバの何がいいんだろうな。ってのを考えてみたんですよ。ビジネスでは成功していない――は語弊があるけど、海外で売れる気配はない。ストリートファイターも鉄拳も興味はあるけど、それでもEXVSを選んでいるのはなぜなんだ?
やっぱり、ガンダムなんですよ。ガンダムはすべてを解決する。
今回はそういう話です。
ガンダムVSシリーズは連邦VSジオンから始まった、2on2、3D対戦ゲーム。特徴の一つはコスト制。キャラクターを動かして、戦場で撃ち合って倒し合うっていうのはよくあるゲームと同じなんですけど、耐久がゼロになったらゲームエンドじゃない。機体ごとに設定されているコスト分だけ戦力ゲージが減って、再出撃してくるんですよ。この戦力ゲージが0になった方の負けなので、どんどん落として相手の戦力ゲージをガンガン削っていきましょう。というのが基本的な考えです。
これはつまりシステムに機体の性能差――というか、上位下位ってのが織り込まれているんですね。
例えばガンダムはザクと比べるとスペックが高い。流石にゲームなんで、劇中セリフよろしく5倍以上のパワーゲインとまではいかなかったと思いますが、単純比較では耐久もパワーもザクより上。ただコストも高いので、ザクが落ちたときよりも戦力ゲージの被害は大きい。性能を生かして相手を圧倒することができるとも言えるし、大物食いされてしまうと被害がめちゃくちゃに大きい。これがガンダムっぽい世界観にしつつ、ゲームとしての面白さを生み出すんですね。ザク使って「うわー、ガンダムっょぃ」って蹴散らされてよし、セイラさんよろしく相手のザクに翻弄されてコストごっそり持ってかれるのもまた醍醐味ですよね。高コストが低コストに蹴散らされたら俺はキレる。
ただ、これをやろうと思うとキャラの頭数がある程度は必要になるんですよ。例えばの話なんですけど、選べるキャラが8体でエクバ同様4種類のコストに振り分けますってすると、均等に割り付けちゃったら、同コスト内では2体しか選択肢がなくなってしまう。どのコストとどのコストで組むかというチョイスで個性はつくものの、コスト構成が一緒なら4パターンしかなく、その内の1パターンはミラーで、2パターンは片被り、全然違うペアは1パターンしかありません。流石に?
ちなみに、ライズオブインカーネイトでは低コストにあたるストック1が2体しかいなかったらしいですね。ちょっと、少ないと思うんスけど。実際どうだったんですかね。
それで言うと、ガンダムはモビルスーツのバリエーションが豊富なのが強みです。ザク、グフ、ドム、ゲルググ、アッガイ、ゾック、ゴッグ、ズゴック……機体によってはシャア専用機とかのバリエーションもあるんですから、それらも足せば中々の数ですよ。分配をどうしますかって話は一旦おいておくとしても、これで先刻みたいな被りの心配はなさそうじゃないですか?
え? 「連邦はどうした」って? わかってて言ってんだろ、オメー。
やっぱり、ガンダムVSライクやるならキャラが多いに越したことはない。ゲームルールとかバランスが同じでもキャラクターが少ないと、対面の遭遇率とかでプレイフィールが変わってきます。ある程度のキャラプール(とゲームバランス)がないと戦場が画一化されていって多様性に欠けたものになりがちです。
それと、露骨な性能差が許容されるのも大きい。ガンダムとザクで比較したとき、多少ザクがスペック劣ってても原作通りってなもんですけど、リュウより春麗が一回り弱いとかモメるでしょ。流石に耐久値と単発火力はリュウが上だけど、機動力とコンボは春麗に部があるから足し引きトントンかな。みたいな。実態はどうあれ、建前上はそういう感じじゃないですか。……CvSではブランカ、キャミィがレシオ1? この話はやめよっか。
逆にいうと、戦力ゲージっていうシステムの都合上、倒したときのリターンには幅がほしいですよね。ガンダムを倒してもザクを倒しても戦力へのダメージが同じなら、耐久も低くて逃げ足も遅いザクを倒そうってなりますからね。ぬら孫だって、側近は防御力が半分で落としやすいけど、戦力ゲージも総大将の半分しか減らせないんですよ(細かい事言うと占拠したシマによる増加は半減入らないんで、きっちり半分じゃないです)。
逆にリターン(やられる側から見ればリスク)に幅があるなら性能の優遇はほしい。ゲームで毎回ランダムで割り当てられたリーダー、とかならともかく、このキャラは落とされたらコストが半分吹っ飛びますってルールなんだから、キャラのパワーはある程度、強くあってもらわないと困りますよね。スペックまで低かったら何故か戦力ゲージをたくさん減らせるボーナスキャラになっちゃうじゃん。
まあ、コスト制のゲームが意外と少ないのはこの辺があるのかも知れない。よく連ザ風と言われるひぐらしデイブレイクですが、このゲームってキャラ毎のコスト差はないです。あれは撃墜時に相手のゲージを追加で減らせるボーナスがあって、うまく稼げれば必要撃墜数を減らせるだけ。ボーナスの稼ぎやすさ、稼がれやすさが実質的なコスト、みたいに言われると、そういうもんですかってなるけども。
しっかりコストまで含めて連ザのゲーム性を色濃く継いだゲームもないわけではなくて、戦国BASARAバトルヒーローズ、クロニクルヒーローズってのが……。
いや、今はガンダムの話をするんだよ!
ガンダムVSライクから一歩踏み込んで、EXVSライクだってなると、今度は動かせるキャラクタの多くには空を飛んでもらいたい。やっぱり、題材によっては空を飛べる奴がほとんどいないこともあるので、操作を同じにしてもキャラの大半が地上を動き回るのが主流というゲームになる可能性はあります。それならそれでバランス見直して、作り直せばなんとかなるでしょう。が、三次元的な動きが減ると遊んだときのフィールは変わってしまいます。いわゆる地走系しかいない戦場にシナンジュ・スタインが「撃っちゃうんだな、これが!」したら、お前、やり過ぎやろってなりそうでしょ? 調整したとしても。じゃあ、スタインみたいな爆風ボンボン起こすキャラは、代替品エクバでは作れないなぁ、みたいなね。
それから、気軽に撃てて、そこそこ強力な射撃も必要です。先程は口を噤んだバトルヒーローズは本当に連ザみたいな操作(ただし、ブーストダッシュはない)なんですけど、動かすのがBASARA世界のという但書がつくとは言え、戦国武将なんですよ。六爪流とか言ったところで、やっぱりビームライフルとかは持っていません。基本戦術はノソノソ近づいて、手にした得物で斬りかかる格闘戦闘。しかも、BASARA譲りのクソ長い格闘を決め合うことになるので、まあそのなんていうか……でしたね。
今のEXVSの大多数のキャラクターは、ダメージを見ると低リターンだけど動きが止まらない、低リスクな射撃で牽制やダメージを与えつつ、チャンスには硬直が長くてカットでダメージを負うリスクはあるけど、与えるダメージ、リターンの大きい格闘を差し込む。みたいな使い分けがあるんですよ。そこの判断が遊んでて面白い。
バトルヒーローズは射撃があまりに弱いので、格闘振るしかやることないので、すごい単調でただただしんどい。
射撃よりも格闘が中心という意味では、戦国乙女LEGEND BATTLEも近いものがあったんですけど、こっちはダッシュコンボが気持ちいいし、射撃が強くて主体にするキャラもいるしで大分マシでしたね。なにより、キャラも可愛いからな。
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▲いつもの |
ライズオブインカーネイトも残されたwikiの記述を信じるなら、BRズンダが出来るのはレッドドラゴン(最カッコいい奴ではない)だけらしいですからね。たまたま見かけた動画ではデブが相手に抱きついて変な塊に固めて投げるを繰り返す、超塩動画だったし、一体どんなゲームだったんだろうと恐怖しております。
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▲このウツタヒメってのは可愛いと思った |
まあつまり、ガンダムの魅力は海外では通用しない、求心力がないと嘆いてはみるものの、今のエクバをエクバ足らしめている――高速で飛び回りながら射撃の応酬を交わすゲーム性を可能にしているのは、ビームライフルという強いは強いんだけど必殺過ぎない武器を持ちながら、空中戦が可能というガンダムの特性に依存しいるんですよね。ジョジョEoHとかもスタンドパワーによる超常バトルではあるんですけど、基本的には地に足をつけ、正面から突っ込んで殴り合うゲームでしたからね。ラストサバイバーみたいにスタープラチナのパンチが動き撃ち可能にすればガンダムっぽくはなりますが、自分でエイムつけるゲームの特性をオートロックのゲームに持ってきたら悲惨なことになりそう。……というか、ドイツの軍人が空中に浮いて、ロック替えで銃口かけ直しながら弾バラ撒いたのがダメなんだから、動き撃ちスタープラチナはダメだわ。ダメダメ。
ライフルとサーベル、シールドやバズーカっていう武装にお約束があるのもまた、機体にスタンダードを生み出していると言えて、ゲームの方向性に大きな影響を与えている訳です。あるんですよ、2D格闘ゲームといえば、飛び道具、無敵対空、突進技がスタンダードでしょ、みたいな指針が。レジェンド格闘家のリュウさんから、多くのキャラクターが採用している構成なんですけども。BR、バズ、サーベル、シールドがガンダム界におけるスタンダードキャラと言っても過言ではない。……ホンマか?
まあでも、こいつはBR+バズの基本構成に、でっかいブメとスパアマ格闘、使い切りの強力武装を持っているんだな(A.ブルーフレームセカンドL)みたいな理解はありますよ。手足が伸びる代わりに動きは遅いんだな、と同じようなもんでしょ。
やっぱり考えれば考えるほど、EXVSはガンダムという土台があってこそ成り立っているという気持ちが強まっていきます。いいぞ、やはりガンダムだ、ガンダムしかない。え? スパロボOG? ああ、うん……いや、いいね……! 無限に戦えそう。ほらでも、2on2にしちゃうと、R-3パワードみたいな、三体目ポジの人が……え? ライのアシストで呼べばいいじゃん? ……やめましょうか、この話。
ガンダムにかぎらずロボットは割りと相性いいですね。ただ、ガンダム以外だと、機体数がネックかなとは。だから、スパロボOGは機体数も多くてなかなかいいと思います。彼らにEXVSのフレームを踏襲する理由がないけど。
あとは東方Projectなんかはギリ、イケそうな気がします。彼女らは空も飛べるし、弾も撃てる。腕と足があるんだから、殴る蹴るもいけるでしょ。その手は人を殴るため、その足は妖怪を蹴り飛ばすためってことで、なんとかなりませんか。
いや、彼女らに殴る蹴るをやらせていいのかって話と、射撃というか弾幕だから仮に同じ操作設計になってもEXVSライクでは無くなりそうとか、そもそも、彼女らが着地をするのは原作ファンには解釈違いなんじゃ……とか、果たして東方Projectが海外客にウケがいいんだろうか? とか、不安ばっかりで成功するビジョンがあるとかはないです。
でも、豊富なキャラクター数と、飛べて弾が撃てるという点では、BASARAをはじめ、今までに出てきた題材よりはエクバに近い側にいるとは思うんですよね。彼女らがEXVSのフレームを踏襲する(略)。
前回はガンダムを捨てよう、みたいな話で強引に締めたんですけど、この記事に書いてある通り、考えれば考えるほどガンダム以外の題材でEXVSみたいなゲーム性になることはほとんど期待できない。EXVSという劇物の中毒になってしまった我々はガンダムに魂を引かれて、もう逃れることはできないんだなあというのを再確認して、締め方がわからなくなったので記事を分けたというのが事の顛末です。
ということで、今度こそおしまい。