10月末頃、エクストリームバーサス2が稼働開始されました。全国のゲームセンターに出回っているとはまだまだ言えない状況ではありますが、SNSなどでは日々盛況している様子が伺え、一シリーズファンとしては安堵の思いでいっぱいであります。これからもGVSシリーズのさらなる発展をご祈念しております。
さて、去る11/14にエクストラGチャレンジが開始され、その栄えある第一回の機体に選ばれたのがソレスタル・ビーイングの誇るメタボゲロビガンダム、ガンダムヴァーチェであると言うことが判明いたしました。
これは奇しくもガンダムバーサスのダウンロードコンテンツと同じラインナップであり、EXVS2ロケーションテストの際に漏れ聞こえてくる「バーサス準拠」の言葉の意味を補強するものです。今年の3月末で更新が止まったあたりからなんとなく解っていたことではございましたが、つまるところ、ガンダムバーサスはEXVS2の土台づくりと開発費稼ぎという役割を終え、その短い生涯を閉じたということなのでしょう。
本日は故ゲームを偲び、頑駄無院独自没個居士の思い出を語っていくことにします。
■生誕~家庭用独自シリーズとして
ガンダムバーサスはアーケードのGVSゲームの移植がなくなって久しい頃、PS4で遊べるGVSゲームとして鳴り物入りで発表されました。数回のクローズドβとオープンβを経て、2017/7/6に発売されました。アーケードとは別路線の独自シリーズと銘打たれ、先行ゲームでもあるEXVSシリーズとの差別化はストライカーシステムとブーストダイブの導入、それと参戦機体のコントロールによって行われました。
ストライカーシステムとはガンダムVSガンダムのモビルアシストから発展してきたアシスト系武装を選択性にしたようなシステムで、バトル中は弾数分だけサポートモビルスーツを召喚できるというものでした。これにより、プレイアブルモビルスーツとするには原作での活躍が不十分な量産型MSなどがゲームに登場することが可能になりました。
一方のブーストダイブはブーストを消費して下方向への移動を可能にするブーストキャンセル系アクションの新基軸でした。ガンダムVSシリーズでは一部の機体が保有するにとどまっていた降りテクをシステム側に吸収した形と言えます。
これらに加え、「ミッシングリンク」の機体がDLC含め数多く参戦。いままでなんだかんだで声がかかっていなかった「コロニーが落ちた地で…」や、「ジオニックフロント」などの機体や、ファの操るネモやアポリーのディックディアスといった脇役機体など、主役や準主役機体が中心になっていた、EXVSとは違うラインナップが魅力でした。
このゲームに、魅力があるとするならば。ですが。
■迷走~あやふやなゲームとしての輪郭
プレイインプレッション自体は悪い物ではなかったものの、人々がゲームに慣れ始めるに連れどんどんと悪い部分が露呈していきます。中でもストライカーシステムは擁護する方が難しく、様々な量産機も出演と言えば聞こえは良いですが、その大半が手持ち武装を発射するだけのモーション。汎用的なビーム連射攻撃は類似性能の機体同士で差はほとんど無く、好意的に言えば好みで選べる、有り体に言ってしまえばガワが違うだけです。
その一方で、一部機体にはやたら強烈な個性が与えられており、汎用機の存在を食ってしまっているのが問題でした。しょぼくれたBRを2連射するだけのジムを選ぶぐらいならば、同じ使用回数でエレガントな動きでBRを3連射してくれるトレーズ閣下を呼び出すというのはごく自然な帰着でしょう。せめてジムの方が使用回数が多いのであればまだ存在理由がなくはなかったのに。まさか、ジムを作って、参加させたことに満足してしまった。なんて、言わないでくださいよ。
また、ゴールドスモー、キマリス、ドアンザクといったやたら強烈な面々に注目が集まると即座に弱体化をしていましたが、その方法も概ねやり過ぎで一気に存在価値を奪われていたのが印象的です。特に使用回数は少ないが短時間で大きなダメージを確定させることが魅力だったドアンザクが、当時まだ使用回数の多いバンシィなどの連中よりもトータルダメージが落とされた時など、開発チームはデータを包括的管理をしていない疑いを強めました。まあ、そのバンシィも後々使用回数落とされましたが。
そもそも、低威力かつ補正率の悪いBRを2連射するジムが使用回数3回なのに、ダウン値が高く威力も高いF91(ハリソン機)が4回だったりと性能と使用回数に明確な相関があるとも思えず、開発が気分で決めてるって言われても信じられるレベルですが。
もう一つの目玉、ブーストダイブもただただ厄介なシステムで従来なら誘導を切る代わりにブーストを消費して高度が上がる(≒着地までが伸びる)フワステだった部分がブースト消費がやや重いものの短時間で着地するダイブに置き換わってしまい、ダイブの硬直を咎められないプレイヤーはゲームから締め出しを食らったも同然でした。使いこなせるとちょっと有利になるシステムとして実装したらしいダイブですが、使えないと話にならないシステムとして認知されてしまったのは悲しいお話です。
■終焉~機体の没個性化とゲームの停止
アシストやダイブがシステム側に吸収されたことで、アシスト武装や降りテクなどはその大半が没収され、特殊移動や物を投げるアクションに変更。これにより、アメキャンによる手堅い支援能力を失って得たものが相手に突進する急速変形射撃と低回転率な癖に微妙な威力の原作再現マグナムというデルタプラスや、ステルスフィールド展開中に守ってくれる兄々ズを失ったにも関わらず、低高度ステフィまで奪われたスローネドライなど、もはやどういう運用を想定して開発されたのかわからない機体が登場。DLCでも超弾速の狙撃こそ強いが、それぐらいしかすることがないジム・スナイパーIIや、汎用形態と狙撃形態を使い分けるもそれぞれの差別化要素に乏しい上、それぞれの強い部分を足し合わせても大した性能ではないのにしっかり弱体化する部分が足を引っ張って生きていくだけで戦いなグシオンリベイクなど無理して出すことはなかったんですよと言いたくなる機体が数名。
さらに言えばGガンダム(※後に参戦)、Endless Waltz、ガンダムX、SEED Destiny、ガンダム00(セカンドシーズン)、ガンダムAGE(※後に参戦)などのシリーズ常連のTV作品が枠ごと削除され、OVAシリーズでもポケ戦が参戦せず。EXVSシリーズと連動していたレオスは目をつぶるとしても、イグルーやアストレイ、ブルーディスティニーなど個性的な面々も削除されて、代わりにいるのがやっつけ感すらある脇役というのはどうにもオールスターシリーズとは言い難い様相であります。
その後、DLCにてAGE-1の参戦。それから遅れて、ゴッドガンダムとマスターガンダムもDLCに参戦で(おっ、アップデートで作品が増えていくのかな?)と淡い期待を抱かせるも、作品枠の追加はここで終了。それからしばらくすると、先にも述べたように発売からおおよそ9ヶ月ほど経過した3月末の更新を最後に更新が完全ストップして植物状態に。発売一周年にも何ら音沙汰はなく、EXVS2の稼働が始まってみれば本作からの武装輸入が大量に行われている始末で、俺達は金を払って次のGVSゲームの大規模テストに参加させられただけだったという現実が浮き彫りになってしまった訳です。
死んだのはゲームではなく、俺の心と開発者に対する信頼だよ。
■閉会のことば
他にもいろいろゴミみたいな思い出がありましたね。エイガーの声優の名前の修正(平田広明→中井和哉)だけでリプレイが全滅(ガンダムバーサスのリプレイはバージョンが変わると、それがゲームバランスに関与しない更新であっても問答無用で見れなくなる)したり、事前告知なく更新が実施されて事後で報知ページがアップされたりとやりたい放題でした。
更新も機体バランスの修正内容を書かなかったり、そもそもアーケードと比較して調整のペースが遅いであったりとこちら側の熱量に対して、運営側の熱量があまりに低く、フルブの方がマシと言われるのも無理からぬことだったのかなと思います。
EXVS2の開発が一段落ついたことでしょうし、そろそろ本腰を入れてバーサスのフォローに入っていただき、早い段階でガンダムバーサス2を発表。その暁にはガンダムバーサス所有者は無料、それが無理なら格安でアップデート可能ぐらいのサービスを実施いただきたいなと思う所存であります。
そこまでしていただけるのなら、いつか笑えるようになるかも知れません。