ずいぶん間が空きましたが、久々にシンデレラガールズの話題を一つ。
セカンドシーズン突入直後に登場したやり手のキャリアウーマン(らしき)人物、その名も美城常務。辣腕を振るう彼女の姿を皆さんどう受け止めておられるでしょうか。
俺は正直嫌いです。
最初はあまりに強引なやり口が。次は特に理由もないまま改革を進めたことが。実に気に食わない野郎(女性ですけど)だな、と思っていました。
後々、そこら辺りについては「実社会でもこんなものだよ」的な話を聞いて納得とは行かないまでも、全否定からは脱却したんですが、それでもやっぱり気に食わない。
じゃあ、一体何が原因なんだろうなと思って考えた自分なりの答えと言うものをここに書いておくことにしました。
アニメの内容はもちろん、ゲームにも触れた話になっておりますので、ネタバレ等が気になる方はご留意ください。
●美城常務が掲げる成功
美城常務は実際できる人です。劇中、自身が指揮を執った城ヶ崎美嘉の売上が大きく伸びたこと、その事を周囲も含めてさも当然と受け止めていたことから読み取る限り。
だから、彼女がアイドルたちに度々言い放つ「成功は保証する」は冗談にしか聞こえませんが、本当のことなのです。
こりゃ、全プロジェクトの白紙凍結なんて横暴通る訳ですよ。
プロジェクトが止まれば各方面に影響が出る。場合によっては空白が出来て損失が出るかも知れない。でも、常務が本気出せば簡単に取り戻せる。
これが真のアイドルマスターの実力というものか……。
これが真のアイドルマスターの実力というものか……。
傾きかけたアイドル部門の建て直しなのか、そこそこの業績をさらに伸ばすためのテコ入れなのかは知りませんが、彼女に従えば目標達成はほぼほぼ間違いないでしょう。なんて、素晴らしい。非の打ち所がない。
でも俺はこいつが気に入らない。
なぜなら、一点、俺が譲りたくない部分に踏み込んできていたからです。
●美城に相応しいアイドル
美城常務は彼女が思い描くアイドルについて過去、何度か語っています。その中の一つに「美城の名に相応しいアイドル」というものがありました。
具体的にどんなアイドルなの? という所はあんまり出てきてないんですが、なんにせよ、常務の頭のなかには美城グループのブランドに見合うアイドルのイメージがあり、そんなアイドルを育成していこうとしている。ように思います。
実はここが、個人的な最大の引っ掛かりポイントでした。
相応しくないアイドルはどうなるのか?
これはもう至極簡単な話で、相応しい路線へ転身するしかありません。あるいは、346プロから立ち去るか。
これはもう至極簡単な話で、相応しい路線へ転身するしかありません。あるいは、346プロから立ち去るか。
現にバラエティー路線の難波笑美、上田鈴帆を筆頭にした数名は、今後の方針について考え直すようにと劇中に宣告されてしまいました。
彼女らは「シンデレラプロジェクト」が独立部隊として生き延びていたお陰でそちらに参加するということで事なきを得ましたが、もしも常務の白紙凍結に全員が唯々諾々と従っていたら……346から彼女らの名前は消えていたかも知れません。
●アイドルは誰が為に
一方、相応しいアイドルとやらに選ばれても必ずしも幸せとは限りません。
高垣楓は思い入れのあるライブイベントと(恐らく)バッティングする歌番組の収録の仕事を勧められました。
なぜなら、小さな会場でのイベントはあまり大きな効果が望めないからです。常務は効率を重視します。限られた時間は効果の大きいアクションに使うべきと考えているようです。
というか、イベントが急遽中止となればそこそこ影響、というか賠償的な話になって損失が出そうなもんですが、それを補って余りある効果が出るんでしょうね。スゲー。
というか、イベントが急遽中止となればそこそこ影響、というか賠償的な話になって損失が出そうなもんですが、それを補って余りある効果が出るんでしょうね。スゲー。
閑話休題。
木村夏樹、松永涼、星輝子の三人にバンド結成を持ちかけた時も近いものがありましたね。三人の音楽性を擦り合わせて楽曲作りをしようとする夏樹に対し、常務は必要ないと切って捨てました。一流スタッフに楽曲を用意させると。
木村夏樹、松永涼、星輝子の三人にバンド結成を持ちかけた時も近いものがありましたね。三人の音楽性を擦り合わせて楽曲作りをしようとする夏樹に対し、常務は必要ないと切って捨てました。一流スタッフに楽曲を用意させると。
実際、ギャル路線でやってきた美嘉にもっと落ち着いた雰囲気へ切り替えたりしていることも考えると「アイドルは私の計画通りに動けばそれでいい」位の勢いですよね。
なんというか、発はガード不能……って感じしますね。
●アイドルたちの主体
でも、このやり方って少なくともシンデレラガールズが相手だとうまくいかないんですよ。
何故かと言えば、アイドルたちはそれぞれ主体を持って活動しているから。
かなり極端ですけど、ウサミンこと安部菜々がいい例です。
彼女はウサミン星からやってきた永遠の17歳。歌って踊れる声優アイドルを目指しています。
ご存知ない方が万が一にもいらっしゃるといけないので、念のために言っておきます。実は彼女は地球人です。17歳でもありません。少なくとも二十歳は超えてます選挙の葉書来てましたから。というか、テレビのチャンネルをガチャガチャ回してる位なので相当……。
まあ、それはさておき。彼女が何故ウサミン星人などという、奇抜な設定を掲げているのかと言うと……単純に菜々自身がやりたいことだからです。
彼女がアイドルを志した原点は「魔法でアイドルになる」というアニメとのこと。だから、アイドルというだけではなく、アニメにも携わることのできる「声優アイドル」を目指している。
彼女がアイドルを志した原点は「魔法でアイドルになる」というアニメとのこと。だから、アイドルというだけではなく、アニメにも携わることのできる「声優アイドル」を目指している。
そんな彼女に「美城の名に相応しくないから」と方針転換を迫ってみたところではいそうですかと従う訳が……まあ、彼女は彼女でいろいろあるのでね。
ともあれ、シンデレラガールズは多少の差異はあれど、それぞれが何かしら自分なりの答えというものを持っています。
夏樹のエピソードもそうでしたよね。
与えられた舞台で与えられた楽曲を歌う。そんな未来を夏樹はストレートに「ロックとは思えないんでね」と一蹴しました。
●最後に
シンデレラガールズに登場するアイドルたちは皆それぞれ自分達の個性というものを持っています。それは俺が魅力に感じているポイントのひとつです。
それを否定しかねない美城常務のやり口をすべて認めることは出来ない。
と、いうのが俺の中の答えです。ありがとうございました。