どうも、虚木零児です。お久しぶりの方もいるかも知れません。
最近、デッドバイデイライトの動画を見ることが増えました。もともと、タイトル自体は知っていたのですが、ゲームシステム、特にビルド周りのシステムが気に入らなかったのでプレイしようとは思っていませんでした。言ってしまえば、それほど興味もなかったのですが、プレイ動画を見ている分には面白かったんですね。未だにプレイするには億劫という印象が拭えていませんが……。
ただ、やっぱりプレイしてないゲームなので、キャラ(特にキラー)の特徴だとか傾向だとかみたいな部分は知識が追いついていない部分が多い。やっぱり、自分で戦っていないので多少は仕方ない部分もあると思うんですが、「こいつはどういうキラーだっけ?」がぼんやりとでも頭に入っているキャラと入っていないキャラがいるのが不思議なんですよ。
その差は何なんだろうと思って調べてみた結果が、このエントリです。
概要
デッドバイデイライトは非対称PvPゲーム。四人の逃げる側と一人の追いかける側に分かれて、逃げる側は条件を満たして脱出を、追いかける側は多くの人間を捕まえるのを目的として争います。追いかける側が様々な殺人鬼でありキラーと呼ばれ、逃げる側はサバイバーと呼ばれることが一般的です。
サバイバーがキラーに攻撃されると負傷、負傷状態で更に攻撃されるとダウン。キラーはダウンしたサバイバーをフックと言われる設備に吊るすことができ、フックに吊るされたサバイバーはどんどんタイムバーが減少。これがゼロになくなるまでに救出されなければ、マッチから退場する。というゲーム。救出される以外にも自力脱出などがある様ですが、自分の生存時間を犠牲にして確率で脱出というルールらしく、期待値の割に払うコストが大きいので、最後の一人として吊られたときの時短で使われている印象が強いですね。
サバイバー側は発電機を5つ修理する→出現した(開放された、かも?)脱出ゲートを開く→脱出する。を基本原則とし、仲間が追いかけ回されている間に発電機をどんどん付けて、脱出への道筋を作っていきます。
双方ともにアドオンで発電機の修理速度を高めたり、あるいは修理進行度を遅くしたりというやり取りがあり戦術は変わるものの、フレームワークはこんな感じ。サバイバーはキラーの時間を減らすために素早く発電機を回していきたいし、キラーは活動時間を伸ばすために発電機の修理を遅延させたり、あるいはどんどんサバイバーを吊って救助に手数を割かせるといった駆け引きが行われるわけです。
個人的に見ていて派手なのはキラー側で、それぞれが特徴的な能力を持って生存者プレイヤーを追い詰めていくことができます。それは瞬間移動だったり、飛び道具だったり、高速移動だったりと様々な訳ですが、そこがピンと来ないキラーと来るキラーがいたんですね。
最初は本当にわからなかったんですが、ちょっと整理してみると少しわかったことがありました。それは、結びつけが簡単か難しいか。です。
結びつけが難しい
最後まで能力の理解が遅れたのはレイスとナースでした。彼らの能力自体は透明化と瞬間移動というわかりやすいモノなので、動画の冒頭でキーワードなどを聞いたりすると「あーなるほど」となるんですよ。細かい仕様の部分についてはさておいて。ただ、透明化するのがレイスで瞬間移動をするのがナースということが全く結びついていませんでした。
実は殺人鬼も生存者もそれぞれがストーリーを持っています。ナースは文字通りの看護師で勤務していた病院の勤務環境などに精神を蝕まれていった結果、心の浄化を求めるあまり殺人鬼と化してしまった女性だし、レイスはスクラップ工場で働いていただけだったのに、実際は車に詰められた人間の処刑を託されていたことを知り、激昂して殺人者となったという過去を持ちます。
ゲームのプレイ意欲はなくとも、バックボーンの話を読むのは好きだったので、そういう情報は先に覚えていたんですよ。ただ、彼らはそれと能力が結びついていないんですね。ここは少し感覚的な部分があるんですが、精神崩壊した女性が障害物さえもくぐり抜けるような瞬間移動をできる訳ではないし、スクラップ工場で人を潰す内に透明化できるようになるとは思えませんよね。
実際問題、この感覚は間違ってはいなくて彼らの能力は過去の行いが昇華して後天的に体得したとかではなく、手にしている道具によって実現しているっぽいんですよね。ナースは自分が殺した所長の最期の一息を行使することで、魂の世界と呼ばれる異世界を潜って移動することができる。レイスも似たような感じで手にした悲哀の鐘を鳴らすことで魂の世界に入り込ん姿を消しているようです。同じ魂の世界を使っているのに、方や瞬間移動で、もう一方は透明化になるのはよくわかりません。ただ、ナースはたまたま自分が殺した所長の最期の一息が凄い力を秘めていたから、レイスは謎の鐘を持っているから特徴的な能力を手に入れたということができそうですね。
結びつけが簡単
先の二人が覚えられなかったことを前提として、今度は逆にすぐに覚えられた二人の話をします。それがスピリットとドクターの二人でした。特にスピリットは私がデッドバイデイライトのキラーの中で一番最初に覚えたと言っても過言ではありません。
スピリットは発狂した父親に惨殺された日本人の女子大生。復讐心、怨念などからいわゆる怨霊となってしまいました。有名な四谷怪談あたりにもある、惨殺された女性が怨恨から祟るという話ですね。彼女の能力はフェイズウォーク、自分の実体を残して霊体だけを動かすという能力です。幽体離脱中は生存者が見えないなどの制約はあるものの、生存者側からも認識しづらいこともあり、奇襲などに威力を発揮します。他のキラーにはない独特の駆け引きを生み出す能力のようです。
結びつけが簡単な理由は日本の幽霊という馴染みの深い文化であること。幽霊が物理的な制限を乗り越えて行動するというのは、和製ホラーでもよくある表現ですし、先刻までいなかった場所に急にフッと出現しているというのも恐怖表現としてわかりやすい。先にも上げた通り、怪談話にも女性が惨殺された無念から怨霊となるという日本のホラーっぽいストーリーを構築しているし、能力も関連深い形にできているので覚えやすい。
一方のドクターはストーリーとの因縁が強いから。彼は被験者に電気を流し込む電気痙攣療法なるものを使って数多くの人を殺害せしめたとんでもないヤツということが語られています。厳密にはドクターではない可能性すらあります。そんな彼の殺人者としての能力は電流を流して相手の正気を奪い、幻覚を見せるというモノで、前述の電気痙攣療法を攻撃に転化したような能力になっています。以前は専用の設備が必要だったことが、キラーとして暴れるようになってからは身一つでできるようになった。ぐらいは流石にありそうですけど。
彼ら以外にも様々な機械を発明した男が特殊な銃を作って戦うデススリンガー、名前のとおりに罠を仕掛けて敵を追い詰めるトラッパー、疫病に冒されて死に瀕した女司祭が病原菌を多く含んだ吐瀉物を吐き出して攻撃するプレイグ。このあたりはバックストーリーと能力が一本数珠繋ぎになっていて、どちらかを覚えれば能力も自動的にひっついてくる感じで非常に楽なんですよ。
そのアイテムはなんだ
その一方で、僕が苦戦したレイスとナースはどこか取ってつけたような感じがする。
人体に電流を流す胡散臭い、拷問めいた療法でドクターと呼ばれるようになった男が、電流でサバイバーたちを追い詰めるというのは一筋で覚えられる。幻覚がどうとか、どうやって回復するかとか細かい仕様については勉強が必要な部分はあるけど、ドクターというキラーが電流を操るという基本的なベースは覚えている。
けれど、レイスは雇い主に騙されて車と一緒に人間をスクラップにさせられていただけ。そんな人物が謎の鐘を手にして異世界と行き来し、姿を隠しながら生存者に襲いかかっている訳です。ここだけ聞くと謎の鐘という便利アイテムが重要なだけで、スクラップ工場の機械工という職との繋がりが薄い感じがしてしまうんですよね、極端な話。知らずに殺人を強要されていた彼がたまたまレイスのポジションに収まっているけれど、他に条件を満たす人物が鐘を手にしていればそいつがレイスになってそうな気がしてしまう。
その点でいくとナースのアイテムは彼女の前職での振る舞いによって手に入れられているので、レイスと比べると繋がりがあります。ただ、こちらは道具と効果が分かりづらいのがネックに感じます。そもそも、息ってアイテムなのかって疑問を持つようなモノですし。
例えばデススリンガーは機械いじりの得意な男が作った自作の銛を発射する銃を振り回して襲いかかるという話ですから、彼があの得物を持っているのも不自然はない。相手にアンカーを打ち込んだら、ロープを巻き取ってたぐり寄せるという構造もわかりやすい。
ナースは殺した所長の息なので持っている事自体は納得性があるんですが、所長の息と魂の世界を潜って次元移動するが結びつかない。息を持っている状態の超自然さもそうだし、その吐息と魂の世界との関連は単体で覚えていないとダメですよね。もちろん「いやいや、死んだ人の最期の息は魂の世界と交信する方法では初歩の初歩でしょ」っていう可能性もあるとは思います。ただ、残念ながら私のオカルト的な知識にはないので、別途覚えないといけないことに変わりがありませんでした。
今にして思えば、ここが苦手だったんだと思います。
今後は
そういう意味でいうと、後追いで一足飛びに覚えようとした際に、ストーリーと性能の間に分断があって両面から覚えるのが難しかった。という話なので、見る専ながらも環境について少しずつ知識を蓄積していく分には起きない悩みなのかな。とも思ったりします。
つい先日、アーティストと呼ばれるキラーのプレイテストが開催され、僕が見ているプレイヤーも実況や解説の動画を上げられていました。その時は特に違和感を覚えずにそういうものかと勉強していたと思います。彼女の半生にはカラスが大きな影響を及ぼしているので、殺人者となった彼女がカラスのモチーフを活用することはすんなり受け入れたんですよ。
ただ、彼女はカラスの幻影のようなものを射出して使うんですが、なんでこんなことができるのかはさっぱりわからないんですよね。射出されたカラスは相手にダメージを与えたり、群れを纏わりつかせたりといった効果があるんで、力をもった何かであることは間違いありません。多分、何かしらの不思議アイテムによって彼女の描いたカラスが実体を持つのか、あるいは、不思議なカラスが彼女に従うかしているんだろうとは思います。詳細は調べていないのでわかりません。
でも、今回はここで「このアーティストというキラーはこういうものなんだ」という感覚を持てたのは非常に大きいと思うんです。これはあくまで僕の感覚的な話なんですけど、ストーリー的な背景があって、そこから能力が形作られたというよりは、こういう感じの能力にしたいというイメージが先にあって、それにストーリーが合わせられた感じがする。つまりストーリーから能力を推察するのは難しいけれど、能力からストーリーに繋げるのはそこまで難しいことはないんじゃなかろうか。
先に話していたナースも「どうして、精神崩壊した看護師が瞬間移動できるの?」だと難しいけれど、「ナースが瞬間移動できるのは、殺した所長の最期の息を持っているから」を覚えていれば、彼女が何をしたのかは思い出せるじゃないですか。そういうことだと思うんですよね。
え、レイス? 何なんでしょうね、あの鐘。
おしまい。