このブログを検索

2019年11月2日土曜日

君はアルビオンの領主に何を見たか

虚木零児です。

グランブルーファンタジーのアニメーションのシーズン2が放送中ですね。オイゲンの声がシーズン1から変わっていて違和感があります。
いや、シーズン1がおかしくって、今の声が本来のオイゲンの声だって言うのはわかってはいます。でも、ほら、おじさん、ゲームの方は遊んでないからさ……。

まあ、そういう意味ではゲーム中のメインのストーリーを別メディアで展開してくれるというのはありがたい話ですね。ゲーム的な部分――例えば、戦闘とか――が面白いっていうのはもちろんあると思うんですが、ストーリー部分も面白く作られているんだな、とは思いました。さすがは最高のコンテンツを作り出す会社じゃないか。

だからこそ気になる部分っていうのもある訳でして。グランブルーファンタジーのストーリーのネタバレをはさみつつ、その辺りに言及していきたいと思います。

アニメの方にもヴィーラってキャラが出てきたんですよ。
ファンアートの分布から見ると、よく見かけるのでそれなりに人気のあるキャラクターなんだろうと思っています。グッズ展開などを見ても姿を見かけますし、汚い言い方をすると割と集客力のあるキャラクターなんだと推測してます。

で、数あるファンアートから共通点を抽出すると「カタリナに執着するヤンデレ」になります。多分深く語れば、星晶獣と契約していてその力を行使することができるであるとか、タイトルにある通りアルビオンの領主であるとか色々な要素があるんですけど、ファンアートで強調されがちなのはそういう側面なんだ、と思います。

別にそれが間違っているとは思いませんが、アニメを見ただけではどうしてそういうことになったのかわかりませんでした。

まあ、カタリナに執着していることは間違いないと思います。カタリナを中心に物事を考えるクセがついてしまっている。カタリナに自由になってもらいたいから、アルビオンの領主という檻――作中のアルビオンの領主は星晶獣と呼ばれる超常的な存在との契約によって領外に出られなくなってしまう制約を受ける――の中に自らを閉じ込めた。ヴィーラの献身がなければ、カタリナはアルビオンに囚われていたことはほぼ確実で、ヴィーラは自ら望んでアルビオンに身を捧げたのです。

それも偏に愛するカタリナが"騎士"という道を歩む手助けをしたかったからこそ。だというのに、騎士となるはずだったカタリナはお尋ね者となり、得体の知れぬ騎空団の一員として追われているのだから、ゲームの中とは言え、儘ならないものですね。

その惨状を目の当たりにしたヴィーラはカタリナを再度救い出す為に動き、それを利用して事をなそうとする帝国の思惑が絡み合い、グランたちは騒動に巻き込まれ……というのがお話の筋でした。

結局、グランたちの活躍によって騒動は平定され、アルビオンには再び平和が戻るのですが、今までのキャラクターたちのようにヴィーラは騎空団に参加しませんでした。まあ、いくら領外へと出られるようになったとは言え、都市の領主がほいほいどこかへ行っていいものかという気もしますし、仕方のないだと思います。物語的には。
まあ、ゲームだったら少しさびしい気もします。新しい仲間が加わるっていうのはワクワクすることですからね。

戦闘中、ヴィーラは錯乱していることも相まって、自分の人生はカタリナが全てだったようなことを叫びましたけど、別にそう自分を卑下することもないと思うんですよね。瓦礫に潰されそうになる領民を救うシーンとか格好良かった。その目は敵を睨めつけ、対峙したままというのがまたいいんですよね。意識するまでもなく、領民の事を守らなければいけない領主――アルビオンの領主は最も強いものが付き、星晶獣の力を受け継いで守護者となることが義務付けられている――としての責務が身に染み付いている証左です。

ヴィーラが遠く離れたカタリナに思いを馳せながらも着実に領主として成長してきた一方で、カタリナもまた憧れた騎士と現実とのギャップに打ち拉がれながらも自分の理想を守るための戦いに身を投じてきた。それは確かにヴィーラと語らった騎士という夢とは違う着地点なのかも知れないけれど、誰かを守りたいというカタリナが選んだ道であって尊重するに値する選択だと思うんですよね。

そして、同様にカタリナを領主という檻に閉じ込めたくない、という望みの為に、望まない領主の座についたヴィーラではあるけれども、都市の危機に際して外敵を自らの力をもって討滅し、領下を守るために力を行使するのは称賛に値する行動だと思うんですよね。まあ、カタリナの為に外敵の接近を許容してしまったりもしてるんで、百点満点とはいかないかも知れませんが。

つまり何が言いたいのかと言えば、ヤンデレヤンデレしてない、もう少し穏やかな感じのファンアートが増えてほしいというお話であり、こんなに文字数を費やしてやることがイラストの注文とか正気かよと思うと同時に、いやまあでも、かわいいヴィーラをもっと見たいからなぁ……という正直な欲求を吐露して終わりにします。

読んでくれてありがとうございました。